直腸がんが局所再発。人工肛門は避けたい

回答者:吉田 和彦
東京慈恵会医科大学青戸病院 副院長
発行:2008年7月
更新:2014年1月

  

2006年12月に直腸がんが発見され、手術を受けました。このときは開腹手術ではなく、肛門のほうからがんを切除する局所切除術を受け、肛門を残すこともできました。その後の経過は順調だったのですが、今年の4月に、局所に再発していることがわかりました。もう1度、手術をすることもできるようですが、今度は開腹手術で、人工肛門になる可能性が高いと言われています。人工肛門だけは避けたいと思っています。放射線治療や抗がん剤治療を含めて、ほかに治療法はないでしょうか。

(三重県 女性 61歳)

A 根治をめざすなら手術。人工肛門になる可能性は高い

ご相談者はおそらく、肛門を大きく広げてがんを切除するTEM(経肛門的内視鏡手術)を受けたのだと思います。

また、文面からは、がんは肛門の淵にあったと推察できます。そこが再発したとなると、がんを完全に切除しない限り、根治は難しいと考えます。

逆にいえば、がんを手術で切除すれば、根治する可能性は十分にあります。ただし、場所を考えると、人工肛門になる可能性がかなり高いと思います。

人工肛門は避けたいということですが、近年、人工肛門の装具は改善され、便が漏れることはほとんどなくなり、管理は容易になっています。

放射線治療や抗がん剤治療で根治する可能性は非常に低いので、根治の可能性のある手術をお勧めします。

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