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野崎洋光と牛込紀子の「和のテイストで、免疫力アップ・レシピ」

栄養バランスよく、体を温める食事で師走を乗り切る

撮影●大関清貴
発行:2009年12月
更新:2019年11月

  

12月は別名、師走といいますが、由来の通り、この季節はあわただしく毎日を過ごすため、体調を崩しがちです。
「あわただしい12月は、栄養バランスのよい食事をとることが大事です」
また、師走は寒さが本格的になる時季。
滋養に富み、体の冷えを防いで体を温める効果が期待できる、旬の根菜などをふんだんに使ったレシピで、体を守り、師走を乗り切りましょう。


そばがき汁

材料(2人分)
・そば粉……60g
・水……200cc
・里芋……60g(皮を剥いて)
・人参……30g(皮を剥いて)
・ごぼう……5センチ
・かぶ……1個
・椎茸……2個
・ねぎ……1/3本

A
・出汁……400cc
・薄口しょう油……大さじ2
・みりん……大さじ1

作り方
① 里芋、人参は5ミリの厚さの輪切りにして水に浸す。ごぼうは小口に切り、里芋、人参と一緒に浸す
② かぶは葉の部分を2センチ残し、皮を剥き、8等分にする。椎茸は軸を切り、4つに切る
③ 鍋にたっぷりの熱湯を沸かし、椎茸をさっと茹で、水にとり、同じ鍋でかぶを硬めに茹で、水にとり、①の里芋、人参を歯ごたえが残る位に茹でる
④ 鍋にAの煮汁と里芋、人参、かぶ、椎茸を入れて中火で煮る
⑤ そば粉に水を合わせ、よく混ぜ合わせ、鍋に移し、木ベラで絶えずかき混ぜながら練り固めてそばがきを作り、火からはずす
⑥ 根菜汁にそばがきをスプーンですくい入れて軽く煮る
⑦ 椀に盛り、ねぎを添える

ポイント
野菜は、歯ごたえよく茹でましょう 体によくて優しい汁物です。


春菊しらす和え

材料(2人分)
・春菊……3本
・しらす……30g
・ねぎ……6センチ
A
・しょう油……大さじ1.5
・酢……大さじ1.5
・胡麻油……小さじ1
・白炒り胡麻……大さじ1

作り方
① Aを合わせ、耐熱容器に入れ、電子レンジで30秒加熱する。冷ました後、胡麻油を足し、たれを作る
② 春菊は水に浸し、パリッとさせ、葉をとる
③ ねぎは3センチに切り、線切りにして水に放つ
④ 春菊はザク切りにしてねぎと合わせ、上からしらすをかけ、白炒り胡麻を振り、①のたれをかける

ポイント
野菜は、必ず水につけてパリッとさせましょう。たれは、電子レンジで簡単に作れます。 いろいろな和え物に応用できます。


豚さつまいもご飯

材料(2人分)
・米……2合
A
・水……300cc
・薄口しょう油……30cc
・酒……30cc
・豚バラ肉(スライス)……100g
・さつまいも……80g
・わけぎ……1本
・胡椒……少々

作り方
① 豚肉は3センチに切り、熱湯で霜降りしておく
② さつまいもはよく洗い、皮付きのまま、3センチのくし型に切って、水に浸しておく。わけぎは、小口に切る
③ 米は研いで、15分浸水後、ザルに15分とり、水気を切っておく。炊飯器にAと水気を切ったさつまいもを入れて早炊きモードで炊く
④ ご飯が中程まで炊けたら、霜降りをした豚肉を入れ、炊き上げ、蒸した後、②のわけぎと胡椒を混ぜ合わせる

ポイント
さつまいもと豚バラ肉がバランスのよい1品です。


12月のよきごはんは、豚さつまいもごはんです。さつまいもに含まれるセルロース(食物繊維の一種)の量は、いも類の中で最高です。セルロースは消化できない不溶性なので腸を刺激して便秘の予防、改善に役立ちます。また、さつまいもを切ると白い液体が出てきますが、これはヤラピンという成分で便を柔らかくして便通をよくする働きがあります。腸内環境をよくすることは、体の免疫力をアップすることにもなります。
そばがき汁には、いろいろな根菜を入れました。根菜は、体を温めてくれます。そば粉には、健康増進成分のルチンが含まれます。ルチンは、水溶性のビタミンPの一種で毛細血管を強くして動脈硬化や高血圧の予防をしてくれます。ルチンは水溶性なので水に溶けてしまいますが、そばがき汁にすることで全ていただくことができます。
しらすは、かたくちいわしの稚魚でカルシウム含有量は成魚の3倍。カルシウムの吸収を高めるビタミンDも豊富に含まれているのでカルシウムを効率的に摂取できます。
春菊に含まれる栄養成分β-カロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を丈夫にして免疫力をアップします。春菊のそれは緑黄色野菜の中でも群を抜いています。油と一緒に摂ることで吸収率も高まります。胡麻油を入れて作る和えごろもは、電子レンジで簡単に作ることができます。また、春菊特有の香りは自律神経に作用し、胃腸の働きをよくし、咳止め効果の作用もあります。
今年1年の感謝と未来への希望に繋がる師走の食です。


野崎洋光 のざき ひろみつ
1953年福島県生まれ。「東京グランドホテル」「八芳園」を経て、ふぐの名店「とく山」の料理長を務め、1989年に支店「分とく山」を開店。伝統的な和食の技法をふまえつつ、シンプルで美味しいもの、体にいいものを主眼に独自の料理を展開。アテネ五輪日本代表野球チームの料理を担当、話題を呼ぶ

牛込紀子 うしごめ のりこ
東京都出身。栄養士。食品メーカーでメニュー提案などを担当、現在に至る。「食べものが身体をつくる」を基本に素材の持ち味を生かした、身体にやさしくておいしいメニューづくりに奮闘中。「野菜をこよなく愛する」ことと「食べものへの好奇心を失わないこと」が信条。子どものころから根っからの野菜好き

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