マインドフルネス・ヨガ:それでいいのだ! 第45回 膝の痛みとO脚の深~い関係 <O脚改善のための立位>
年末年始の休み中、TVを観る機会が増え、当然CMを目にすることも多くなります。
驚いたのはビールのCMの多さ。あんなに旨い旨い旨いと、手を変え品を変え連呼宣伝しないといけないのかな。「本当はそれほど旨くもないのかも」と、ツッコミを入れたくなります。
ま、それは置いておいて。
本題は膝痛です。膝の痛みを改善するという薬、サプリ、サポータ類のCMの多さにもあらためてびっくり。TVの視聴者の多くは中高年ということがしみじみわかります。
それにしても、歳をとったら例外なく膝痛に悩まされるのでしょうか。
O脚と関係ある膝内側の痛み
加齢とともに一番多く聞くのは、変形性膝関節症。
膝関節の軟骨が少しずつすり減って、痛みを伴うようになります。なかでも中高年の女性に多いのは膝の内側に痛みが出てくるタイプで、O脚傾向と関係しています。
O脚は「内反膝」とも呼ばれ、立位時に膝が内側に向く傾向があります。加齢とともに多くは膝の内側の軟骨が変性、摩耗し、徐々に内反変形となり、膝関節の内側に痛みを感じるようになります。
O脚というと、膝と膝が外側に彎曲した状態、両膝の間から向こうの情景が見えるかというくらい、膝と膝が離れていることが注目されがちです。何より本人が自嘲的に気にしています。
膝の痛みとは無縁の10代20代では、O脚を改善しようと膝周辺に力を入れて両膝を伸ばそう、くっつけようとするので、かえってO脚が固定化することにも。
すなわち膝を伸ばそうと力を入れるので、隙間は減少しますが、大腿部の表側をいつも緊張させ(太ももがいつも張っている)、ふくらはぎが外側に張り出していたり、骨盤前傾が強まる傾向が見られます。
でも、若いので、膝の痛みはとくにないのです。たとえ少しあっても、「O脚は嫌っ!」「脚をまっすぐ伸ばしたい」のほうに気持ちが行ってますから、身体が発する声も耳に届きにくくなってます。
膝の向きを少し変えるだけで、O脚も腰痛も改善
更年期で、骨密度が下がってくると内反膝の傾向が進みます。痛みも出やすくなります。
乳がん手術後、ホルモン療法を受けている場合も、女性ホルモンを阻害しますから、基本的に更年期と同様、骨密度を減らさないような注意が必要です。同時に無理なくO脚を改善する方法を取り入れて、膝の痛みを劇的に軽減させましょう。
難しいポーズを提唱するわけではありません。
若いときに、「O脚憎し」で行っていたことの正反対のことをすればいいだけです。
「えっ、それだけ!」と拍子抜けすることでしょう。
今回は超ベテランのヨガインストラクターであり、がんサバイバーでもある栗木登志子さんが動画でインストラクションします。
<O脚改善のための立位>
①両足を揃えて立つ。あるいは足先を正面に向けて、腰幅に立つ。O脚の人は、このとき、膝の向きが正面ではなく、やや内側に入っています。膝の向きは膝を少し曲げてみるとよくわかります。膝がこのように内反していることをまず自覚すること
②膝はリラックスしたまま、膝周辺の筋肉にも力を入れないで、膝の向きをやや外側に向けるように意識します。そのまま普通に呼吸しながら10~30秒
駅で電車を待ちながら立っている時間、電車の中、エレベータの中、立っているときの自分の姿勢にマインドフルになるだけです。
今では、こんな時間も多くはスマホをやっているのでは?
③これだけのことを、日々やり続けるのは結構大変なのです。SNS時代の現代では、スマホでチェックしなければいけないことが山ほどあります。
しかし、膝をやや外側に向けると、どういう変化が骨盤の周辺で起きているか注意を向けましょう。一番わかるのは坐骨の位置です。坐骨というのは座ったときに座面に接する骨です。手で触ってみます。これは駅でやるのはまずいので、うちでやってください。すぐに手で触らなくとも、身体の内部感覚で、自分の座骨がどうなっているかわかるようになります。
わざと膝を普段より誇張して内向きにしてみる→外に向ける。両方の座骨が閉じられる(距離が縮む)のが感じられます。
よくわからなければ、無理にそう感じようとしないで、よくわからないままにしておきましょう。わからなくても効果に差はありません。ただわかったほうが、自分の身体のことが面白くなるので、スマホの磁力に少し対抗するためです
④また、腰部の反り(骨盤前傾の角度)が変化します。反っていた腰部(前傾の角度)が和らぎ、下腹が引き締められます。
膝の向きで、O脚だけでなく腰痛も改善されます
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