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森川那智子のゆるるんヨガ de ほっ!

ゆるゆるセルフケア!(20) 片鼻呼吸

イラスト●星奈レイ
発行:2009年6月
更新:2013年8月

  

森川那智子(もりかわ なちこ)
こころとからだクリニカセンター所長。カウンセラー・ヨガ指導家。心療内科と提携し、カウンセリングを中心に、ヨガ、リラクセーション、瞑想を取り入れた療法で、心と体のサポートに取り組む。
『こころがラクになる本』(大和書房)
『リラックスヨガ』(成美堂出版)など
著書多数こころとからだクリニカセンター http://www.kokokara.co.jp/

一呼吸で〝ほーっ〟となる

片鼻呼吸① 安定した楽な座り方で座り、右手の中指を眉間に当て、人差し指は中指にそわす。左手は人差し指の先を親指の腹にそわせて印をつくる。目は半眼。薬指で左鼻をそっと閉じ、右鼻からゆっくり息を吐き、ゆっくり吸う。

「主人は温厚で我慢強い人なんです。でも、最近、珍しくイライラしていることが多くなって」というWさんは、長くヨガに通っている方です。早朝から夕方まで配送専門の仕事をしているご主人の心配をされていました。

とくに健康診断で胃にポリープが見つかり、幸い良性とわかったそうです。しかし、ご主人の一番上の兄といとこが相次いでがんになったこともあり、ご主人の健康がとても気がかりのようです。

野菜多めの手作り弁当を朝用、昼用と2食分を持たせていました。

Wさんのご主人は、平日は1日の大半を配送車の中で過ごします。休日は体を休めるためにゆっくり寝ていますが、起きればTVを観ているようです。たまに近所を散歩するくらいで、ほとんど体を動かしません。

一計を案じたWさん。夫がごろ寝している横で、自分は静かにヨガをするようにしました。

あえて誘ったりはしません。

② 薬指をはずし、左鼻からゆっくり吐く。吐けたら同じ左鼻から吸う。

するとどうでしょう。夫は、ときどき見よう見まねでヨガのポーズらしきものを1人でやりはじめたのだそうです。

そのうち、自分で本を買ってきて独習をはじめました。

「片鼻呼吸は非常にいい。たった一呼吸でも、気持ちがほっとなるよ」

なんとなんと、ご主人は最近そんなことをつぶやくのだそうです。どうやら、ときどき車を止めて、運転席で片鼻呼吸をしているらしい。

「コツはね、疲れきってしまう前に適宜おこなうこと」

まったくその通り、「疲れきってしまう前に」というのがポイントです。

片鼻呼吸

③ 保息(息を止めること)する。

片鼻呼吸は、ヨガの代表的な呼吸法の1つです。どちらか一方の鼻孔を閉じ、片鼻で呼吸します。片鼻だけで呼吸すると、呼吸プロセスに気持ちが集中することになります。今この瞬間に体験しているこの一息に集中すれば、気持ちは自然と落ち着いてきます。

呼吸法の利点はいつでもどこでもできることです。

基本の姿勢

自分にとって楽な座り方で座り、脊柱をスーッと立てます。椅子に腰掛けた姿勢でももちろんOK 。イラストでは吉祥座という座り方をしています。吉祥座とは、左足を右もも内側にあて、右足をその上にのせ、親指以外の4本の指を左ももとふくらはぎの内 側に入れた座り方です(左右逆もあり)。肩や首から余分な力をぬいてリラックスしましょう。

④ 右手を左手と同じように膝にのばし、普通に呼吸。

右手(利き手)の中指を眉間に当て、人差し指は中指にそわす。薬指と親指を使って、左右の鼻孔を開閉します。左手は人差し指の先を親指の腹にそわして印をつくりましょう。目は半眼です。

呼吸の仕方

ステップ1から3まで順を追って行います。いつもよりゆっくり息を吐こうと意識してください。次第に呼吸が深くゆっくりになります。慣れてきたらステップ3だけ行ってもOKです。

ステップ1

① 薬指で左鼻をそっと閉じ、右鼻だけで呼吸します(イラスト1)。2~4呼吸。

② 次に親指で右鼻をそっと閉じ、左鼻だけで呼吸。2~4呼吸。

ステップ2

① 薬指で左鼻をそっと閉じ、右鼻からまず軽く息を吐いてから、ゆっくり吸う。

② 親指で右鼻を軽く閉じ、左鼻からゆっくり吐く。吐いたら、吐いたこの左鼻から息を吸う(イラスト2)。

③ 薬指で左鼻を閉じ、右からゆっくり息を吐く。これで1セット。2~4セット。

ステップ3

今度は保息を入れます。保息とは吸った息をすぐ吐かないで、少しの間、止めることを言います。

① 薬指で左鼻をそっと閉じ、右鼻からまず軽く息を吐いてから、ゆっくり吸う。

② 親指も添えて、保息(イラスト3)。

③ 薬指を外し、左からゆっくり吐く。吐いたら、吐いたこの左鼻から息を吸う。

④ 薬指も添えて、保息。

⑤ 親指を外し、右からゆっくり吐く。これで1セットです。

これを3~5セット行います。

吸う息、保つ息、吐く息の長さを、4秒、4秒、6~8秒くらいのを目安とします。

⑥ 右手を左手と同じように膝にのばし、普通に呼吸(イラスト4)。

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