アロマセラピスト・長谷川記子の心を癒すアロマ教室 2

イランイラン

長谷川 記子 アロマセラピスト
発行:2013年12月
更新:2019年7月

  

はせがわ のりこ 薬剤師、アロマ・ハーブ・サプリメントコンサルタント(有)チェリッシュ・インターナショナル代表取締役 星薬科大学薬学部卒業。大学時代より皮膚科学や予防医学、香りの研究を始める。医療・介護分野でQOL向上のためのアロマとハーブの普及活動を行う。日本緩和医療薬学会評議員 、国際個別化医療学会評議員、日本メディカル・アロマテラピー学会員 、日本赤十字社医療センターアロマテラピー研究会専任講師、聖徳大学生涯学習講師(ハーブ&アロマテラピー)
カウンセリング受付先
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FAX. 047-348-2352
アベ腫瘍内科クリニック
TEL. 03-6380-8031

イランイランは、南国の甘く濃厚な花の香りです。タガログ語で「花の中の花」と言われ、インドネシアでは新婚夫婦の床に花びらをまく風習があります。心身の緊張状態、パニックやショック、自信喪失や落ち込みなどから解放し、幸せな気持ちをもたらします。

アロマのこころ
こころが純粋な程、私たちは、がんの病と向き合う中で、深い悩みを抱えることがあります。純粋で、傷つきやすい自分を、誉めて大事にして下さい。落ち込んで、真っ黒い壁に囲まれて光が見えない人生の状況のときでさえ、貴方の側に、大自然の甘い花の香り「イランイラン」はほのかに漂い「生きる光と歓び」に気づかせてくれます。もっと、ゆったり、自分のペースで、歩んでいきましょう。今も、これからも……。

がん患者の方々にとって、今、このひとときをリラックスし、幸せにひたることは、とても重要なことです。なぜなら、病の発症の原因も、病の回復を促す自己免疫力も、心の状態がとても重要なカギを握っているからです。

イランイランは、がんを患ったときの心の落ち込みやパニック状態、自信喪失や自己や他者に対しての批判が生じたとき、その甘い優しい香りで、心を落ち着かせ、幸せなひとときを包んでくれます。

この香りは、「魅惑」や「優美」的な香水に秘かにブレンドされていることがあります。がん患者の多くの方々の中に、真面目で、責任感があり、規律を守り、他人への気配りを欠かさず、忍耐強く生きてきた方がいます。社会人としても、家族を支える大黒柱としても、真面目に生きてきたA 氏(60 代)。しかし、がんの進行について、つらい説明を受けた膵がんのA 氏は、言葉にならない程のショックを受け、セカンドオピニオンのため来院されました。

待合室でポツンと椅子にすわり、身体を硬直したまま無言です。ご家族にお話しし、イランイランの香りをほのかにブレンドしたアロマオイルのトリートメントを受けていただきました。ゆったりされたのでしょう、心臓の音が聞こえる位のパニック状態から解きほぐされて、「きもちいい」のひと言。心が落ちつき、帰り際には、「うん」「うん」と言葉を家族とかわされて、顔の表情も柔らかくなりました。

50 代の胃がんのB 子さんの場合、本当にすばらしい完璧な良妻賢母です。「私、家事、育児とスポーツジム通いにも、一生懸命、健康にも気遣う食事をしてきたつもりなの。でも、がんになってしまった。本当、私のどこが悪かったのかなーって思う。あのとき、こうすればよかった、こうすべきだったって、考えれば考えるほど、自信がなくなっちゃう」

彼女は、がんになってから、自分の笑顔が消えてしまったと言いました。彼女にとって、「規則正しく、正当に、真面目に生きてきた自分」の生き方をがんが否定したように感じられたのでしょう。

イランイラン――南国の花の香りは、こうしたカチカチになってしまった心を解きほぐし、今、生きていることの幸せに、気づかせてくれる香りです。

マッサージオイルブレンドレシピ

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