編集部の本棚 2017/2Q

文●「がんサポート」編集部
(2017年6月)

国がん中央病院がん攻略シリーズ 最先端治療 乳がん
編著:国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 乳腺外科、乳腺・内分泌内科、他
発行:法研 2,000円(税別)

2015年の肺がんに続き、「国がん中央病院がん攻略シリーズ」の第2作目となる本書。構成としては、「乳がんの基礎知識」「乳がんに対する最新・近未来の治療法」「乳がん治療を受ける患者さんへ」と3つの章立てとなっており、第1章の基礎知識では、手術、薬物療法、乳房再建も含めて、現在の標準治療について解説。

第2章の最新治療では、今話題の免疫チェックポイント阻害薬を始め、開発中の主な分子標的薬について取り上げているほか、先進医療であるラジオ波焼灼療法(はしょうしゃくりょうほう)など新しい治療法についても紹介されている。

第3章では、乳がん治療における費用や、外見の変化に不安を抱えている患者さんの相談に応える「アピアランス支援センター」を紹介、また治験・臨床試験で実績のある主な医療機関リストも末尾に掲載されている。

乳がんの標準治療から先端医療まで、その内容が凝縮された1冊。これから治療を受ける人はもちろん、さらには先端医療について知りたいという人にとっても、役立つ書となっている。(白)

患者さん目線から考える がんの栄養・食事ガイドブック
監修:大阪府立病院機構大阪国際がんセンター総長・松浦成昭氏、同病院長・左近賢人氏
発行:メディカルレビュー社 2,700円(税別)

2017年3月に開院した大阪国際がんセンター(旧大阪府立成人病センター)の開院記念書籍として作られた同書。〝患者さん目線の医療〟を標榜する大阪国際がんセンターが、エビデンス(科学的根拠)に基づいた、食事に関するガイドブックを作成した。

構成としては、手術、化学療法、放射線治療など、各治療に応じた栄養と食事について、医学的見地から解説。他にも、口から食べられない場合の栄養療法や、がん患者の免疫機能を高める栄養と食事についても、紹介されている。

また、意外と知られていない、医薬品との併用が禁忌、あるいは注意が必要な食品(食品成分名)について表として紹介されており、患者やその家族にとって、すぐに役立つ情報として掲載されている。

がんに効く食事、効果のあるサプリメント――など、巷に情報が溢れている昨今、がんと栄養・食事についてしっかりとしたエビデンスに基づいて書かれている書は少ない。がん患者やその家族にとって、実りある書となることを期待したい。(白)

がんの治療と暮らしのサポート実践ガイド―通院・在宅治療の継続を支える―
編集:NPO法人キャンサーリボンズ
発行:(株)エス・エム・エス 2,000円(税別)

今や2人に1人ががんに罹る時代。そして、がんとともに長く生きる時代になった。がん患者さんが直面する課題も、治療だけでなく、仕事のこと、家族のこと、お金のことなど多岐にわたり、主治医や看護師だけで患者さんを支えられる状況ではなくなっている。そうした中、重要となってくる概念が、患者さんを中心としたチーム医療だ。本書では、医師や看護師だけでなく、チーム医療に携わる全員が、がん患者さんの暮らしを支える上で知っておきたい基礎知識について紹介されている。

内容としては、食べること、運動、容貌ケア、働くこと、妊娠・出産、さらには抗がん薬の副作用についてなど多岐にわたっており、具体的な患者さんの例を出しながら、イラスト付きで解説。医療者でなくても分かりやすい内容となっている。「元気を支える容貌ケア:メイク編」では、本WEBでも連載中の美容ジャーナリスト・山崎多賀子さんが執筆を担当しており、元気に見せるメイクポイントなども紹介されている。

「患者さんがよりよく暮らす」ための視点で書かれた本書。医療従事者はもちろん、チーム医療の重要なメンバーである患者さんにも、ぜひ手にとってもらいたい1冊となっている。(白)