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FP黒田尚子のがんとライフプラン 23

医療費控除のホント!「がん保険」の診断給付金は医療費の合計額から差し引かなくてもよい?

黒田尚子●ファイナンシャル・プランナー
(2016年2月)

くろだ なおこ 98年にFPとして独立後、個人に対するコンサルティング業務のかたわら、雑誌への執筆、講演活動などを行っている。乳がん体験者コーディネーター。黒田尚子FPオフィス公式HP www.naoko-kuroda.com/

毎年2月中旬から3月中旬は確定申告の時期。これまでも何回かこのコーナーで医療費をたくさん支払った人が税金の還付を受けられる「医療費控除」について紹介してきました。今回は、医療費控除の対象となる医療費の合計額から差し引かなくてはいけない費用とそうでない費用について注目してみましょう。



医療費控除とは、同じ年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が一定額を超える場合、確定申告をして支払った税金が戻ってくる制度です。今年の確定申告期間は、2016年2月16日~3月15日となっています。

基本的に医療費控除は、1年間に負担した医療費が「10万円」を超えれば適用が受けられます。しかし、保険金などで補てんされる金額は差し引く必要があります。具体的に該当するのは次のものなどです(図表参照)。

■医療費控除の計算式

ここで注意したいのは、民間保険から給付された保険金にも、差し引くべき保険金と差し引かなくてもよい保険金があるということ。

保険金など補てんされる金額に該当するのは、あくまでも医療費を補てんする目的で支払われた保険金・給付金となります。したがって例にも挙げられている「入院給付金」は差し引かなくてはなりません。

それでは、がん保険の「診断給付金」はどうでしょうか?

これは、一般的にがんと診断されたら受け取れるもの。根本的に医療費の補てんを目的とするものではなく、がんという病気になったことに対する保険会社からの見舞金のような性格を持つと解釈され、基本的に、医療費を補てんする保険金等には該当しない=差し引かなくてもよいと考えられています。

このほか、がんで一定期間入院して退院したときの「退院給付金」あるいは「退院(自宅)療養給付金」なども、退院に伴う見舞金あるいは休業補償・所得補償の性格を持つものとすると、医療費を補てんする保険等には該当しません。

もちろん、受け取ったがん保険の診断給付金を、実際に医療費等に充当した人もいるでしょう。ただあくまでも、その保険金・給付金の支払われる目的に応じて、それが医療費を補てんする目的で支払われたものかどうか、ということが判別のカギといえそうです。

さらに、保険金などで補てんされる金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引くことはできません。

ですから、仮に大腸がんで入院して実際にかかった医療費が30万円。それ以外の病気でかかった医療費が10万円だった場合、がん保険から40万円の入院給付金等をもらっても、30万円分しか差し引くことができないということです。

なお、がん保険には、さまざまな特約等がありますので、自分がもらった保険金等が支払った医療費から差し引くかどうかがわからない人は、給付金ごとに該当するか否かを保険会社で確認することをお勧めします。

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