少しでも早く期待の新治療を実現するために

がんペプチドワクチン開発へ寄付による応援をお願いします

取材・文●吉田燿子
発行:2013年5月
更新:2013年8月

  
「市民のためのがんペプチドワクチンの会」代表の會田昭一郎さん
理事の佐原勉さん
 理事の福士智子さん

市民のためのがんペプチドワクチンの会
代表:會田昭一郎
所在地:186-0003 東京都国立市富士見台1-28-1-33-303
FAX:042-843-0312
info@ccpvc.org
http://www.ccpvc.org
◎寄付についてのご案内:http://www.ccpvc.org/donate.html


「がんペプチドワクチン療法」は、副作用が少なく、既存の治療法とは全く異なる新しいがん治療法として、期待が集まっています。
しかし、未承認薬であるため、現段階では、企業による治験や医師主導臨床試験以外での使用ができません。
この治療法を少しでも早く使えるようにと、市民による取り組みが動き出しています。

がんペプチドワクチン療法とは?

2012年、会が編集した一般向け書籍(『がんペプチドワクチン療法』、中村祐輔監修、旬報社、1470円[税込])が出版された。たくさんの寄付を募るには、まずがんペプチドワクチンとはどのようなものかを、一般の人に知ってもらうことが大切だ

次世代のがん治療法として有望視されるものに、「がんペプチドワクチン」があります。現在、世界中で研究開発が進められており、手術、放射線、薬物の3大療法に続く「第4の治療法」である免疫療法として期待されています。

がんの免疫療法として以前から知られているものには、丸山ワクチンや細胞療法などがありますが、これらとがんペプチドワクチン療法との間には決定的な違いがあります。それは、前者が免疫力のトータルな底上げを目指すのに対して、後者が「がんだけを狙い撃ちする免疫を高める」治療法であるという点です。

がん細胞の表面には、特有のペプチド(アミノ酸化合物)が発現しています。一方、人間の体内には、この目印を標的としてがん細胞を攻撃する細胞障害性リンパ球(CTL)が存在します。

がん特有のペプチドが大量に入ったワクチンが投与されると、この細胞障害性リンパ球は非常事態に対応するべく、自らも数を増やしてがん細胞に総攻撃をかけるのです。

このように、“がん退治の精鋭部隊”を増強してがんを集中攻撃するのが、がんペプチドワクチン療法なのです。

抗がん薬は正常な細胞にも障害を与えるため、副作用が強く現れるものもありますが、がんペプチドワクチン療法では重い副作用がほとんどありません。そのため、自分らしい生活と両立できる治療法として早く実現してほしいという要望が高まっています。

「効果の判定」が承認のネック

現在、がんペプチドワクチンの製薬化に向けて、全国各地で企業治験が行われています。なかには第Ⅲ相まで進み、製薬化が目前に迫っているものもあります。とはいえ、がんペプチドワクチン承認への道のりは険しいのも事実です。その最大の理由は、「効果の判定がしにくい」点にあります。

「市民のためのがんペプチドワクチンの会」代表の會田昭一郎さんは言います。

「がんペプチドワクチンの承認においてネックとなるのが、効果の判定です。現在の判定基準では、抗がん薬の投与によってがんの大きさが3割以上縮小すると『効果がある』とみなされます。がんペプチドワクチンの場合、がんの大きさに変化はなくても、がんによる症状が改善したり、患者さんの全身状態が回復したりすることがあるのです。そのほかにもがんに効くメカニズムが抗がん薬とは異なるので、抗がん薬を想定した従来の判定基準にはなじみません」

さらに、効果が表れるまでに、3カ月、半年というように時間がかかることも、承認を阻む要因です。

こうした問題に対処するため、米国のFDAは2011年にガイダンスを発表し、がんのワクチンを治療薬として承認するための要件を定義しました。

ところが日本では、いまだにワクチン療法に対する否定的な意見が根強く、取り組みは遅々として進んでいません。これをなんとかしたいというのが、会が患者たちを代表して訴える願いなのです。

FDA=アメリカ食品医薬品局

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