正しい知識は患者自身の力、支えになると信じて講演会を開催

講演者と参加者が同じ目線で インタラクティブに意見交換

【閲覧制限なし】
文●山本眞基子 NPO法人BCネットワーク代表
(2015年10月)

司会役のBCネットワーク代表の山本眞基子さんと松下記念病院
乳腺内分泌外科部長の山口正秀さん

日米両国に在住している日本人女性に、乳がんについて最新の情報を発信しているNPO法人のBCネットワークが、2015年の夏、京都と東京でイベントを開催した。
東京でのイベントでは、 BCネットワーク代表・山本眞基子さんが、日頃の活動に対して日本乳癌学会から感謝状をもらった。

NPO法人BCネットワーク

代表 山本眞基子

ホームページ:bcnetwork.org/

京都での初めての開催

第2部のウイッグとメイクアップ実演ショーの司会者、長内さん(左)と谷山さん(左から2人目)と参加者たち

京都の祇園祭が行われていた週末の7月11日(土)、「第5回BCネットワーク乳がんタウンホールミーテイング@京都」を、(株)アデランス他7社の協賛・協力を得て京都教育文化センター大ホールで開催しました。

「タウンホールミーテイング」という名前のセミナーを、ニューヨーク発信のBCネットワークが、毎年日本で開催してきたのには意味があります。日本では著名な医療者の講演を拝聴し、参加者からの質問に答えてもらい、セミナー終了という内容が多いように感じていました。

しかし、講演者と乳がん患者と経験者が同じ目線で、もっと身近に感じられるインタラクティブで、活発な質問や意見交換をしてもらいたいと思いました。

京都という土地での初めての開催でしたが、田口哲也・京都府立医科大学内分泌乳腺外科学教授、山口正秀・松下記念病院乳腺内分泌外科部長、國廣正寛・国立病院機構舞鶴医療センター統括診療部長の3名の講演内容が素晴らしく、参加者の方も大満足。参加型ディスカッションの時間には、参加者が、質問や意見、感想を発言すると、その期待に応えるような講師陣の応対がありました。

また、患者の心のサポ−トに関する講演をした國廣正寛さんの講演では、がん患者さんの心にしみる音楽の演奏もあり、思わず癒しの涙が流れてしまった参加者の方も多くいました。会場の満足度はとても高かったイベントでした。

第2部では、2人の乳がん経験者の司会によるウイッグとメイクの一般参加型の楽しいショーがあり、日頃の生活を楽しくするメイクとファションを経験者のプロから習得することができました。

当日参加できなかった方々のためにBCネットワークのホームページから講演の動画を発信しておりますので、ぜひご覧ください。

アストラゼネカ(株)、シミックホールディングス(株)、エーザイ(株)、グラクソ・スミスクライン(株)、日本イーライリリー(株)、コニカミノルタヘルスケア(株)、(株)エスアールエル、ブレストケア京都合同会社

東京で第4回乳がんシンポジウムを開催

京都に続き、7月19日には東京都江東区豊洲で、「第4回乳がんシンポジウム@東京豊洲」を(株)アデランス、コニカミノルタヘルスケア(株)、ジェノミック・ヘルス・ジャパン合同会社の3社の協賛によって開催しました。

前日の台風による雨も上がり、青空の広がるなか、当日参加される方もいて満員御礼の会場になりました。その観衆に応えるような、素晴らしい3名の医療者の講演でした。

明石定子・昭和大学乳腺外科准教授は、初発の乳がん患者さんを対象に、検査、告知、そして1人ひとりに適切な治療をどう選択していくかについて、重要なポイントを講演。

中村清吾・昭和大学乳腺外科教授/日本乳癌学会理事長は、再発乳がん患者さんを対象に、多くの人が関わるチーム医療でより多くの患者さんを助けたいと講演。

最後に、がん患者対象の心のケア専門の大西秀樹・埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授が、心の苦痛をもつ乳がん患者さんに対し、いかに最適な治療を受けてもらう方向に持っていくかについて講演。

多くの乳がん患者さんが1度は通る「精神的落ち込みの解消例」もあり、参加者さんが自分の例に当てはめたりして「そうだったのか」という顔をされている方も多かったです。

「乳がんとこころのケア」と題して講演する埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科教授の大西秀樹さん

中村清吾・日本乳癌学会理事長から感謝状をもらう山本眞基子さん

第2部には、「頭皮ケアの仕方と部分ウイッグの探し方(アデランス主宰)」を提供しました。治療中に髪の毛を一時的に失くしても、頭皮ケアを怠らないこと、治療後に髪の毛が薄くなってしまった女性たちに小さなウイッグをつけると若返って見えるという考えも提案されました。

また、アデランス協賛で「頭皮ケアの仕方と部分ウイッグの使用の仕方」の実演も。最後に、寄付商品30点を巡って熾烈なじゃんけん大会で、楽しくイベントは終了しました。