公益社団法人日本オストミー協会 2040フォーカスグループ(オストメイト/全国)
情報ツールと集いの場でつなぐ若年層オストメイトの輪

公益社団法人日本オストミー協会 2040フォーカスグループ 情報配信担当 池嶋貫二
(2011年7月)

池嶋貫二さん
公益社団法人日本オストミー協会
情報配信担当の
池嶋貫二さん

スマート・ホット・アクティブに「生活の質」を向上

オストメイトマーク

オストメイトマーク

オストメイト、ストーマという言葉を知っている方は、どのくらいいらっしゃるでしょう?あまり馴染みがないかもしれませんが、公共施設や大型商業施設などのトイレ出入口や扉に、人間の上半身姿と医療関係の施設に使われる十字マークを組み合わせたマークを見ることができます。そのトイレには、オストメイト対応のトイレ設備が施されていることを意味します。

人工肛門・人工膀胱のことをストーマと呼び、それを持つ人をオストメイトと言います。人工肛門・人工膀胱と聞くと人工的に作られた工業製品を想像されるかもしれませんが、疾病などによって排泄機能が損なわれた場合、腹部を開穴し、残存する大腸や小腸、尿管を縫合して代替の排泄機能とするもののことです。

その疾病の1つとして、大腸がんや膀胱がんが挙げられます。そんなオストメイトが集まる団体が、公益社団法人日本オストミー協会(JOA)です。造設起因となる主たる疾病ががんであるため、会員の平均年齢が70代、会員数約1万人の団体です。会全体の約5パーセントが40代以下の若い現役世代です。

人数的にも限りがあり、会のなかでも同世代のオストメイトと会うことも少なく、これまでは、悩みや相談事などがあっても打ち明けることもできない状況が続いていました。しかし、平成20年に東京でアジアオストミー大会が開催され、海外にいる若年層グループの存在を示す発表がありました。

若年層オストメイトの地域交流会

若年層オストメイトの地域交流会(平成22年7月4日 神戸市総合福祉センター)

それを契機に、状況を危惧していた全国のメンバーらが集まり活動グループ結成の構想が立ち上がりました。そして、平成21年6月8日、オストミー協会全国大会(高松)にて、協会内の若年層オストメイトのアクティブサイトとして「2040フォーカスグループ」の活動開始宣言を行いました。

オストメイトのための、そしてストーマケアのための情報を発信する基地の構築が求められ、まずブログサイトの立上げを行いました。そしてイベント情報や当事者の声、各種団体の活動状況などをパソコンや携帯から得られるようにしました。アクティブでポジティブな若年層を意識して、案内人であるサイトクルーにグーミーというキャラクターを設け、自虐的かつ実体験と思しきドタバタコラムも掲載しています。

「就労を考える」シンポジウムでのパネルディスカッション

「就労を考える」シンポジウムでのパネルディスカッション(平成22年12月18日 大東文化会館)

オストメイトの日々の生活を垣間見てもらうことで、多くの方にオストメイトの存在とその理解を望んでいます。また、ブログには書きづらいより深い話題を、グループのメンバーのみが読むことができるメールマガジンで定期配信したり、ツイッターや専用メールアドレスによる意見交換も行っています。このような情報ツールを使うことで、全国にいるオストメイトとのスマートなつながりが実現できるようになりました。

しかし、情報ツールを使っての情報発信だけではなく、当事者同士の直接のふれあいも大事であると考え、心のなかに秘めた思いや本音を声にしてもらうための「集いの場」を全国各地で開催しています。そこでは、ゲストによる講演、アトラクションゲーム、現役世代ならではの「仕事」や「就労」での苦労や課題解決のクロストークなどを行っています。

オストメイトは少数であるが故に、孤立しがちになります。しかし、自分だけではないと気づき、当事者同士だけが感じる心の内を共有し合い、そして癒やされる交流の場を作り上げるよう心掛けています。

今後は疾病や障害など関係するさまざまな当事者や支援団体との連携も視野に入れ、より広くオストメイトの認知と病気予防のための役割を担いたいと考えています。

その一例として、炎症性腸疾患、肺機能、心臓、腎臓、肝臓、免疫機能の内部障害や難病という広い視点から、これまで実現できなかった当事者団体同士、それも若年層に絞ったコラボレーションイベント(平成22年12月18日、東京の大東文化会館で行われた「就労を考える」シンポジウム)の共同企画・開催を行いました。

今後は原疾患の1つでもある、がん予防や検診啓発の場面でも多くの機関・団体と協力していきたいと期待しています。しかし、主要メンバーが遠方に住んでいることもあり、直接顔を合わせて行動するということは限られています。メールなどのネット活用で解決できるところではありますが、顔を合わせての交流はなによりも大事なことです。予算や仕事などの制約があるなか、その機会をどのようにすれば増やしていけるかが現在の課題です。

また、仕事を持つ若い世代は外での活動も多いため、ある程度、自身でストーマケアができます。ただ、我流や人づての情報で行っている人も多く、間違った方法を続けたり、よりよい方法を見逃していたりすることがあります。そのため、交流の場で初めて人から聞いたり、知ったりと新たなオストメイトのライフスタイルを発見することができます。これは活動の大きな成果であり、当事者として生きる上で、QOL(生活の質)の向上につながっているのではないかと感じています。


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