オードリーの会
医療関係者のバックアップ受け笑い声あふれる出会いの場
代表の山田泉さん
「ひとりぼっちじゃないよ」を合言葉に
2001年3月に、オードリーの会は20名でスタートしました。会や会報の名前の「オードリー」は、女優オードリー・ヘプバーンにちなんだものです。初めて集まったときにみんなで話し合って決めました。
笑顔のすてきなオードリーはがんで亡くなったのですが、晩年は、第3世界の飢えや病気で苦しむ人たちのために尽くしました。姿の美しさだけではなく、その心の美しさを受け継ぎたいという私たちの願いが込められています。
現在会員は70名。乳がん患者本人からなる会員と、会の趣旨に賛同する賛助会員で構成されています。会の活動としては、3カ月に1度、講演会や懇談会、コンサートやおしゃべりサロンなどの集まりを続けています。会報オードリーは、年に4回発行していますが、色もちょっとカラフルで好評です。会報は、講演の記録や会員の声などを載せ会員や賛助会員にお届けしています。(昨年は「ひとりぼっちじゃないよ」(木星舎)の本にまとめました。)
ときどき悲しいお別れに涙することもありますが、出会いも別れもそれなりに受け止めて、ともに歩む会に育っているなと感じています。発足してから5年目となる今、オードリーの会は、乳がんおばさんたちの笑い声にあふれています。
たとえば、昨年10月に開催した集まりには、無着成恭(むちゃく せいきょう)さんが講師として来てくださいました。無着さんは、現在大分県の国東半島にある泉福寺の住職をされています。
「生きる」と題して楽しいお話をしながら、「えっ!? こんなことも知らないの? あなたたち、そりゃまだ死ねないよ」などと無着さんがおっしゃるたびに、参加した人たちはみんなゲラゲラ笑っていました。おもしろいけど、ためになる話って体にいいですね!
無着さんの友人でもあり、会の立ち上げのときから何度も、ボランティアで駆けつけてくださり応援していただいている永六輔さんにもずいぶん助けていただいています。6年前、突然乳がんの告知を受けて手術をしたとき、病室に届いた永さんからの1枚のはがきは今でも宝物になっています。
「山ちゃん、僕にはおっぱいのないガールフレンドがいっぱいいるよ」
そうだ、私だけが苦しいんじゃないんだと思い直し、患者会を作るエネルギーが湧いてきたのを思い出します。残念ながら私は昨年の11月に乳がんが再発してしまい、再び手術を受けましたが、今度は、「山ちゃん、静かにしなさい!」とドクターストップじゃなくてゴッドストップ? をかけてくださいました。そのお言葉どおり、現在は中学校の養護教諭の仕事を休み、ゆっくりと治療に専念しています。 <?p >
再発は初発よりうろたえるものでして、今回の入院にはオードリーの会のメンバーにはとくに助けてもらいました。
手術が終わって目を開けたら事務局のアケミさんが、そばにいてくれました。洗濯や身の回りのこと、ちょっとした買い物など、会員さんたちが交代で動いて、私や家族を支えてくれました。ピンチのときにこそ仲間同士の助け合いが身にしみるなあと涙がこぼれました。会は細々でも続けていくことで、目に見えない絆が生まれ、心が通い合っていくんだなあと気づきました。
2006年最初の集まりは新年会です。ホテルで食事をしながらおしゃべりして、その後みんなで温泉です。会場はいつも別府なので、「ほっとマンマ」のホテルを利用しています(ほっとマンマとは、別府温泉を乳がん患者のために貸し切りにしてくれる行事です)。
年4回の定例会は日曜日の午後。毎回、臨床心理士の加藤真樹子先生が「グループ懇談」のお世話をしてくださっています。また、オードリーの会の顧問でもあり、立ち上げのときからずっとあたたかく見守ってくださっている藤富豊先生(みょうばんクリニック院長)は、乳がんの治療についての相談を受けてくださいます。
つい最近手術し、会員になったSさんが、こんな感想を送ってくれました。
「オードリーの会は3カ月に1回、ちょうど私の気持ちのパワーがダウンしてきたころに重なってあります。先のことなんか考えたくない、そんな気分になるときです。(中略)みなさんにお会いするといつも時間が瞬く間です。本当にその笑顔にはパワーをいただいています。1月の会を楽しみにしています」
こんな出会いを大切に、これからも楽しんで続けて行こうと思います。
オードリーの会(大分乳がん患者の会)
代表・山田泉
〒879-0606 大分県豊後高田市大字玉津1280 山田方
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