83歳で、1期の多発性骨髄腫に。様子を見るだけでよいか
83歳の母が多発性骨髄腫と診断されました。1期で、とくに症状もないため、主治医からは「様子を見ましょう」と言われました。多発性骨髄腫は、がんの一種と聞きました。がんなのに、治療をせずに様子を見ているだけでよいのか、不安です。母は「もう十分に生きた。苦しい治療なら受けたくない。そろそろお父さんのところに行きたい」と申しますが、子供としては、もう少し元気に長生きしてほしいと思っています。苦痛のない、良い治療はないものでしょうか。
(香川県 男性 62歳)
A 症状が現れたら、MP療法などを検討。近年はより良い治療法も
多発性骨髄腫の1期で、無症状の83歳の患者さんであれば、多くの医療施設では「様子を見る」という選択をするでしょう。様子を見ながら、たとえば、貧血や骨折、骨の痛みなど、何らかの症状が現れた場合は治療を行うことを検討するのが一般的です。
その場合の治療は通常、アルケラン(一般名メルファラン)とプレドニン(一般名プレドニゾロン)を併用するMP療法ですが、近年はこのMP療法よりも効果の期待できる治療薬が出てきました。それはサレド(一般名サリドマイド)とレブラミドで、いずれも経口薬です。これらのいずれかの薬を内服するのが今後は勧められるようになるでしょう。あるいは、MP療法が効かなくなった場合、どちらかの薬に切り替えることを検討するのもよいでしょう。また、注射薬では、ベルケイド(一般名ボルテゾミブ)という非常に優れた薬があります。