多発性骨髄腫の疑い。腰痛との関係や診断のアドバイスを

回答者:小林 武
東京都立駒込病院 血液内科医師
発行:2009年2月
更新:2013年12月

  

68歳の父のことで、ご相談です。かなり前から腰痛で悩んでいました。腰痛を改善するため、整体院によく通っていました。最近、散歩中に転んだことがきっかけで、腰痛が更に悪くなったようです。整形外科を受診したところ、血液内科での検査を勧められました。多発性骨髄腫という病気の疑いもあるとのことです。腰痛と多発性骨髄腫は、関係がありますか。診断は簡単にできるのでしょうか。診断方法も教えてください。

(大分県 女性 40歳)

A 圧迫骨折で痛むことが。10~15分の骨髄検査で診断できる

多発性骨髄腫は、骨に病変をつくるため、骨がもろくなり、腰椎などの脊椎に圧迫骨折を起こしやすくなります。骨は、加齢で弱くなります。多発性骨髄腫なら実際の年齢よりも骨がもろくなっていて、圧迫骨折の可能性はあります。

また、多発性骨髄腫は、骨自体に腫瘍のかたまりをつくることもあります。そのために痛くなることもあります。

検査は比較的簡単に行うことができ、血液内科で血液検査を行います。この病気はMタンパクという異常タンパクが増加します。血液検査で、Mタンパクの増加が認められたときは、多発性骨髄腫が強く疑われます。その際は、骨髄検査を行います。骨に針を刺して、骨髄の細胞を取り出し、顕微鏡で調べる検査です。外来で行うことができ、10~15分ほどです。

当院では、骨髄検査は血液内科の医師が行い、確定診断をします。

多発性骨髄腫でも、症状がなく、進行しない人もいます。その場合は、治療しなくてもよい場合もあります。

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