1. ホーム > 
  2. がん相談 > 
  3. 乳がん > 
  4. 乳がん
 

術後の変化、担当医に報告すべきことは?

回答者:上野 貴史
板橋中央総合病院 外科医師
発行:2013年6月
更新:2014年1月

  

ueno[3]

Ⅱa期(ホルモン感受性有・HER2陰性)の母(62)について質問です。先日、全摘後のホルモン療法(ノルバデックス)が終了し、経過観察へと入りました。ただ、脳や骨、肺などへの再発が心配です。どのような兆候に気をつけ、どのような変化があれば担当医に報告すべきなのでしょうか? 教えてください。

(神奈川県 女性 39歳)

A しこり・骨痛などに注意

医療者側からの術後の経過観察は、局所再発、リンパ節再発、新たな対側乳がんの早期発見が主目的です。

ガイドラインからは、遠隔転移の早期発見を目的にした胸部X線撮影、CT(コンピュータ断層撮影)、骨シンチグラフィ、マーカー測定、PET検査などは、症状のない場合は不要とされています。

遠隔臓器への再発で、症状がおきる場合には、病巣がかなり進んでからのことが多く、心配して早くみつけても、現在のところ残念ながら治癒は不能です。あまり神経質になってもメリットはありません。

むしろ局所(胸壁)、リンパ節(腋窩、鎖骨上、頸部)にしこりがないかどうかを、定期的に自己チェックすることが薦められます。

治療関連の合併症としては、上肢(腕)の浮腫出現や、子宮の不正出血などにも注意が必要となります。

遠隔転移の症状としては、肺転移が進行すると、呼吸困難感、咳、痰の増加などが出現します。肺のしこりとして再発した場合、大きくなるまでほとんど症状はありません。

骨転移では骨痛を生じます。運動と関係なく、夜間就寝時におきる痛みなどでは転移が疑われます。足、指などの細い骨に転移をすることはあまりありません。

転移による骨痛は、ほとんどが進行性なので、痛みが長期間変化しない場合は、良性の原因のことが多いです。

脳転移の場合、頭痛、嘔気などの脳圧亢進状態で見つかる場合と、神経症状、性格変化などで発症がわかる場合があります。このような症状があれば、画像検査などを施行して転移の有無を調べることになります。

ノルバデックス=一般名タモキシフェン 脳圧亢進=脳のむくみ

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート3月 掲載記事更新!