術後の治療方針で悩みが
2022年8月、左乳房に1.7㎝のしこりが見つかり乳がん(ホルモン受容体陽性、HER2陽性)と診断され、術前化学療法としてハーセプチン+パージェタ+ドセタキセルの3剤併用療法を4コース受けた後、FEC療法を4コース受けました。その後、左乳房部分切除術とセンチネルリンパ節生検を受けました。しこりは小さくなっていましたが、少し残っていました。リンパ節転移はありませんでした。術後化学療法としてパージェタ+ハーセプチンを3月まで14コース投与する予定です。さらにホルモン療法や放射線治療も勧められていますが、どうなのでしょうか。
(55歳 女性 山梨県)
A 放射線療法、ホルモン療法ともに勧めます
板橋中央総合病院
乳腺外科医長の上野貴史さん
乳腺外科医長の上野貴史さん
術前化学療法としてパージェタ(一般名ペルツズマブ)とハーセプチン(一般名トラスツズマブ)を使用していたので、術後もそのまま続けていくということなのでしょうが、術前抗HER2+化学療法後でもがんの遺残があった場合、カドサイラ(一般名トラスツズマブエムタンシン)14コース行うことを、St.Gallen国際会議のガイドラインでは推奨しています。パージェタ+ハーセプチンとカドサイラを直接比較した試験はないのですが、ハーセプチンと比較した場合の差が大きいこという間接的な理由からなので、あくまで推奨レベルです。
放射線治療も勧められているとのことですが、温存療法の場合は原則必須の条件ですし、ホルモン受容体陽性なので再発率を下げるためにもホルモン療法は行うことを勧めます。