直腸がんの術後にCA19-9の数値が上昇。原因は何か

回答者・大矢雅敏
獨協医科大学越谷病院外科教授
(2016年11月)

CA19-9腫瘍マーカーについてお尋ねします。妻(69歳)が直腸がんの手術を経て3年近くになります。抗がん薬治療で肝臓の転移がんは小さくなり、現在CT画像では確認できないほどになっています。また、肺転移も認められず、回復してとても元気です。ただ最近になってCA19-9の数値だけが上がってきており心配しております。主治医は「CA19-9が上がってもがんとは限らない、CTでがんはないので気にしなくてよい」と言ってくれます。CA19-9の数値が上がってきた原因を知るには、何をすれば良いのでしょうか。

(71歳 男性 山梨県)

PET検査を行い、他に病変がないかを確かめることを勧める

獨協医科大学越谷病院外科教授の
大矢雅敏さん

CA19-9の数値が上がってきたということですが、よりがんに特異的な腫瘍マーカーであるCEA(がん胎児性抗原)の数値は上昇しているのでしょうか。CEAの数値が基準値であれば、大腸がんの状態が悪くなっている可能性は低いと考えられます。CA19-9に関しては、大腸がんだけではなく、腸閉塞のような状態や、肝胆道系の炎症などでも上昇してくることがあるので、がんの再発という点ではCEAの数値のほうがより重要だと考えます。

また、現在CT画像では肝臓や肺への転移は確認できないということですが、PET検査を行っておく必要はあると思います。CT画像では分かりにくい、頸(くび)や縦隔(じゅうかく)といった部位に、直腸がんではなく別の腫瘍性の病変が見つかる可能性があります。また、CA19-9の数値は、一時的な原因で上がる場合には急に上昇するケースが多く、この方のようにじわじわと数値が上がってくることは比較的少ないです。したがって、そういった意味でもPET検査を行って、他に病変がないかをきちんと確認したほうが良いでしょう。

なお、CT検査やPET検査で再発病巣が確認できないのであれば、体質的にCA19-9が正常範囲よりも少し高値である場合があり、少し高い値で上下するのが特徴です。