腹腔鏡手術を希望。可能か?

回答者:井上 克己
昭和大学横浜市北部病院 泌尿器科准教授
発行:2012年11月
更新:2014年1月

  

人間ドックのCT検査で淡明細胞がんが見つかりました。見つかったのは3cmの腎細胞がんでリンパ節などへの転移はなさそうだとのことです。医師からは、開腹しての部分切除による腎臓温存手術を勧められているのですが、個人的には、傷口が小さい腹腔鏡手術を希望しています。私の場合、腹腔鏡手術を受けることは可能でしょうか? また、腹腔鏡手術の安全性や再発率は開腹手術に比べてどの程度なのでしょうか?

(長崎県 男性 49歳)

A 開腹での部分切除が無難

現在、腎がんの腹腔鏡手術では腎臓を全部摘出する腎摘除術と腎部分切除術があります。

文面からはどちらの手術をご希望かわかりませんが、腹腔鏡下の腎摘除術はT1期とT2期の患者さんに行われており、T1期ですと、開腹手術と比較して、予後や安全面において遜色ありません。ただし、腫瘍の大きさが7cm以上あるT2期では、出血量が多くなる場合があり、開腹手術に切り替える場合もあります。

一方、腹腔鏡下で行う腎部分切除は腎摘除術に比べて難しい手術です。腹腔鏡で腎摘除術を行う施設は多くなっていますが、腹腔鏡で腎部分切除を行いうる施設は限られています。腎部分切除術での開腹手術と腹腔鏡手術の成績を比べると、短期成績では遜色ないとされていますが長期的なエビデンス(科学的根拠)はまだありません。

腹腔鏡による腎摘除も選択肢になりますが、今回のような症例では開腹での部分切除術が標準的で安全性の高い治療といえると思います。なお、冒頭で述べたように、現在は温存が標準になりつつあります。

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