6ヵ月後にCTと言われたが、放っておいて大丈夫か
90歳と6カ月の父のことで相談です。酒量が増え、肝臓を心配して、08年10月に、検査入院をしてもらいました。そのとき、医師から肺に腫瘍があると言われたそうです。大きさは1センチくらいで、良性、悪性などどういう腫瘍かは確認していませんが、6カ月後にCT(コンピューター断層撮影装置)をとると言われました。良性か悪性かがわかっていない段階で放っておいてよいものなのでしょうか。また、治療は年齢も年齢なので、体に負担のない治療法を選びたいと思っています。
(千葉県 男性 59歳)
A 腫瘍は良性か、悪性だとしても非常におとなしいタイプ
画像上で腫瘍が悪性とわかっていたら、悪性と言っているはずです。
しばらく様子を見てCTをとると言ったのは、腫瘍は良性だろうと思っているか、悪性だとしても非常におとなしいタイプだと思っているかのいずれかだと考えられます。90歳とのことですから、胸膜炎による古い影が見つかったのかもしれません。この場合なら良性です。もし、1センチの悪性腫瘍を強く疑うとしたら、肺機能や判断力などを考慮して診断方法と治療の選択をします。治療法は、治療に耐えられる、治療を強く希望していることが前提で手術もしくは放射線療法になります。
手術であれば、この場合には診断と治療を兼ねてやることになるでしょう。手術の方法は腫瘍の場所によって、その方法が変わってきます。腫瘍が肺の外側で端のほうにある場合なら、リスクをお話して手術を行うこともあります。
腫瘍が肺の内側なら、切除範囲が大きくあるため、手術に耐えられる体力が必要です。92歳の女性の方を手術した報告もありますが、一般的に、男性は女性に比べて、手術による合併症を起こしやすく、うつになりやすい傾向があります。また、アルコール性肝障害があれば、手術は受けにくいかもしれません。最近流行りの定位放射線療法の場合でも、治療前は歩けたのに、1週間入院しただけで見当識障害などを起こす方もいます。