小細胞肺がん。放射線の全脳照射は必要か

回答者:坪井 正博
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科
発行:2010年4月
更新:2013年12月

  

左肺の小細胞肺がんで、がんは左の肺だけに限局しています。現在、シスプラチン(一般名)とエトポシド(一般名)の治療を受けていて、今後、さらに放射線治療を受ける予定です。抗がん剤治療と放射線治療を受けた後に、再発予防のため、脳に放射線を当てることを主治医に勧められていますが、かなり抵抗があります。この放射線の全脳照射は受けなければいけませんか。

(香川県 男性 59歳)

A 脳転移の予防効果と副作用を検討した上で判断

放射線の予防的全脳照射は、治療して、完全寛解に至った患者さんに対して行われます。完全寛解になっても、3割くらいの方はがんが脳に転移するため、それを予防するために、脳に放射線を照射することが推奨されています。

しかし、副作用も起こりえます。とくに心配される副作用は記銘障害と失見当識障害です。記銘障害とは、知覚したり体験したりしたことを覚えられなくなることで、たった今、起きたことが覚えられないこともあります。また、失見当識障害とは、時間や場所の見当がつかなくなることです。

これらの副作用は多くの場合、一時的で、しばらくすると治まりますが、なかには完全に回復しないケースもあります。とくにタバコをたしなむ人は脳が萎縮していることが多く、そうした人の脳に放射線をかけると、副作用が強く出ることがあります。放射線の予防的全脳照射は、病状と脳の状態を主治医によく聞き、期待される脳転移の予防効果と起こりうる副作用についても十分に納得した上で、受けるかどうかご判断下さい。

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