遺伝子検査が陰性。2次治療の選択肢は?

回答者・久保田 馨
日本医科大学付属病院がん診療センター長
発行:2015年11月
更新:2016年2月

  

遺伝子検査(EGFR、KRAS、ALK)がいずれも陰性の場合の2次治療、3次治療はどのような薬物治療が選択可能なのでしょうか。なお、1次治療はパラプラチン、アリムタとアバスチンの3剤併用とアリムタとアバスチンの2剤併用投与を実施しました。次回以降はタキソテールを使用するようです。他に使用できる薬剤はありますか?

(61歳 男性 大阪府)

タキソテールが標準治療。ジェムザールやアブラキサンにも期待できる

日本医科大学付属病院がん診療
センター長の久保田 馨さん

2次治療は、タキソテールを単独で使用するのが標準です。2次治療として、タキソテール群と緩和治療群とを比較した第Ⅲ(III)相試験の結果、タキソテール群で全生存期間が有意に延長し、自覚症状が改善したという結果が出ています。

3次治療以降は、体力が十分かどうかを考えて化学療法を受けるかどうかの意思決定をします。効果が期待できる薬剤として、ジェムザールやアブラキサンがあげられます。ジェムザールは第Ⅱ(II)相試験ではありますが、良好な治療成績が報告されていますし、アブラキサンもタキソテール系統の薬剤なので、選択肢としてあげられます。その他、転移がある場合は、その場所や個数によっては放射線治療などが考慮される場合があります。

治験を積極的に行っている施設もありますので、そういった施設にセカンドオピニオンを求めることも勧められます。

パラプラチン=一般名カルボプラチン アリムタ=一般名ペメトレキセド アバスチン=一般名ベバシズマブ
タキソテール=一般名ドセタキセル ジェムザール=一般名ゲムシタビン アブラキサン=一般名ナブパクリタキセル

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