タルセバ減量で複視や頭痛の症状。何か良い治療法はないか

回答者・久保田 馨
日本医科大学付属病院がん診療センター長
発行:2015年11月
更新:2016年2月

  

タルセバを服用していますが、皮膚障害がひどいため150㎎から50㎎に減量して服用しています。減量するので、治療効果はやはり低下してしまうものなのでしょうか。また、150㎎のときには複視の症状はあまりなかったのですが、50㎎だと複視がひどく、頭痛も頻繁にあります。何か良い治療法はありますでしょうか。

(66歳 男性 愛媛県)

脳転移の可能性もある。まずは造影剤を用いたMRI検査を受けることを勧める

日本医科大学付属病院がん診療
センター長の久保田 馨さん

タルセバの真に適切な量は明確ではありません。50㎎でも治療効果を示す方もおられます。しかし、脳では薬の濃度がかなり減少するため、脳転移がある場合は、少ない量では効果が低下することが考えられます。タルセバを減量して複視の症状がひどくなったということは、薬の副作用よりも脳転移による症状が悪化したことが考えられます。

複視や頭痛は、脳転移あるいは髄膜への転移による症状の可能性があると思います。造影剤を用いたMRI検査を行って、脳に転移していないかどうかを調べてもらってください。その上で、もし脳転移があれば、ガンマナイフなどの放射線治療が可能かどうかを評価してもらうことをお勧めします。

もしタルセバを使用して腫瘍が増悪したのなら、ジオトリフに切り替えるのも1つの手です。

しかし、ガンマナイフなどの放射線照射が可能であれば、そちらの治療が優先されます。まずは、複視、頭痛の原因が何かを調べることが重要です。

タルセバ=一般名エルロチニブ ジオトリフ=一般名アファチニブ

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート11月 掲載記事更新!