TC療法でしびれがきつい。ほかによい治療法は?

回答者:坪井 正博
神奈川県立がんセンター 呼吸器外科
発行:2010年7月
更新:2013年12月

  

肺腺がん4期で、パラプラチン(一般名カルボプラチン)+タキソール(一般名パクリタキセル)のTC療法を受けています。現在2クール中ですが、しびれなどの副作用がきつく、体力的にも自信がないため、できればやめたいと思っています。しかし主治医には、抗がん剤の効果はそれなりに出ているので、がんばって続けるように言われています。TC療法以外に何かよい治療法はありませんか。

(大分県 男性 73歳)

A アリムタを含めた2剤併用が勧められる

主治医としては、効果のある抗がん剤を使い続けたいという気持ちから同じ治療を勧められているのだと思います。しかし、治療の中では、副作用との兼ね合いも重要な要素です。

しびれなどの副作用が強く、どうしても耐えられない場合は、神経毒性の副作用が出にくい抗がん剤に替えるのも1つの方法です。

具体的には、以下の抗がん剤治療が考えられます。

(1)アリムタ(一般名ペメトレキセド)+シスプラチン(商品名ランダまたはブリプラチン)

(2)アリムタ+パラプラチン

(3)ジェムザール(一般名ゲムシタビン)+シスプラチン

(4)TS-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)+シスプラチンあるいはパラプラチン

アリムタには吐き気などの副作用が起こりますが、制吐剤を使うことで、その副作用はほぼコントロールできます。選択肢の1つとして、まずアリムタを含めた2剤併用療法がご相談者には勧められるように思います。

(2)の「アリムタ+パラプラチン」は、臨床試験のデータがまだ少ないのですが、アリムタもパラプラチンも点滴時間が短く、外来で実施しやすい治療です。

(3)の「ジェムザール+シスプラチン」は骨髄の機能がよい場合などには勧められます。

(4)の「TS-1+パラプラチン」はTC療法(パラプラチン+タキソール)と同程度の効果があることが最近わかりました。

以上の抗がん剤治療を参考に、主治医に今1度、ご相談ください。

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