TC療法のしびれがひどい。他に治療選択は?

回答者・織田克利
東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座生殖腫瘍学准教授
発行:2015年8月
更新:2015年11月

  

2012年に妻(59歳)が卵巣がんで手術と抗がん薬治療(TC療法)を受けました。抗がん薬治療が終わって、3年で肺への転移(8㎜ほど) がCTで見つかりました。主治医からは、再びTC療法を行う方針との説明を受けていますが、他に治療法はないのでしょうか。

というのも、前回のTC療法では、手のしびれがひどく出て、なんとか治療を乗り越えた感じだったためです。もし他の治療法があるとすればどのような治療になりますか。その場合、TC療法と比べて、治療成績は落ちるものなのでしょうか。

(64歳 男性 千葉県)

薬剤のラインアップは多いので選択が可能

東京大学大学院医学系研究科
産婦人科学講座生殖腫瘍学
准教授の織田克利さん

最初の手術と抗がん薬治療から3年経っているとのことで、病期は記載されていませんが、再発までの期間が長いことから、TC療法への感受性が高かったと推測されます。そのために今回もTC療法を勧められたのでしょう。

肺への転移を「8㎜」とお書きなので、1個ということなのでしょう。他の治療選択肢はあるかとのご質問ですが、8㎜の腫瘍が1つなら手術で取れる可能性があります。呼吸器外科に紹介してもらって、切除可能かどうかなどの診断をつけてもらい、転移を確認することをお勧めします。

転移とみられる腫瘍が本当に1個なのかもきちんと確認することが必要です。腫瘍が血流に沿って転移する場合、多発するケースは多く、肺への転移も複数箇所存在している可能性もあり得るからです。一方で、肺の一部が炎症を起こしていて、転移ではない可能性もあり得ます。手術で取ってそのことを確認することも、1度相談されてもいいのではないでしょうか。

肺転移である場合、通常(手術の有無によらず)化学療法が行われます。TC療法についてですが、再発後にもよく使用されます。一方、ご相談者の奥様の場合のように、しびれがひどくて、しびれを悪くさせない治療を希望される場合には、薬剤を切り替えるという選択肢もあります。

プラチナ系の薬剤は外せないので、パラプラチン(またはシスプラチン)は必要ですが、タキソールを切り替えることはあります。その場合、タキソールと似たタイプの薬としては、タキソテールが選択肢の1つとなります。しびれがタキソールより若干軽くなります。ただし、タキソテールでもしびれは起こり得ます。別系統の薬剤として、イリノテカン、ジェムザール、ドキシル等も候補です。こうした薬剤とプラチナ系薬剤の併用療法も広く行われています。

卵巣がんの薬はラインアップが幅広く、たとえ再発後にタキソールを他の薬剤に切り替えたとしても治療成績は落ちません。こうした中には、脱毛が起きにくいタイプのものもあります。

いくつかの選択肢の中から主治医とご相談の上、治療法を選ばれることをお勧めします。

パラプラチン=一般名カルボプラチン シスプラチン=商品名ブリプラチン/ランダ タキソール=一般名パクリタキセル タキソテール=一般名ドセタキセル イリノテカン=商品名カンプト/トポテシン ジェムザール=一般名ゲムシタビン ドキシル=一般名ドキソルビシン

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