卵黄嚢腫瘍の治療法は?出産は可能か?

回答者:上坊 敏子
社会保険相模野病院 婦人科腫瘍センター長
発行:2009年10月
更新:2013年12月

  

娘(17歳/高校3年)のことでご相談します。腹痛で内科を受診すると、婦人科を受診するように言われました。婦人科でエコーや血液検査などを受けたところ、卵黄嚢腫瘍の疑いがあると診断されました。治療としては、まずは腫瘍のある左側の卵巣と卵管を切除すると言われています。インターネットなどで調べてみると、卵黄嚢腫瘍は再発すると予後が悪いと書いてあり、とても不安です。親としては、妊娠・出産の可能性を残してあげたいと思いつつ、一方では、再発しないことも強く望んでいます。腫瘍が左にとどまっている場合、左の卵巣と卵管を切除するだけで大丈夫でしょうか。完治をめざすなら、もっと広い範囲を切除したほうがよいのでしょうか。

(愛知県 女性 45歳)

A 手術とBEP療法で治療。出産できる可能性もある

卵黄嚢腫瘍は悪性胚細胞腫瘍の一種です。

かつては大勢の方が卵黄嚢腫瘍で亡くなっていましたが、BEP療法が行われるようになって以降、死亡率は大幅に下がりました。卵黄嚢腫瘍などの悪性の胚細胞腫瘍にはBEP療法が非常によく効くためです。

BEP療法とは、ブレオ(一般名ブレオマイシン)+ベプシドまたはラステット(一般名エトポシド)+ランダまたはブリプラチン(一般名シスプラチン)の3剤併用療法のことです。

妊娠・出産を望んでいる方の場合、腫瘍のある側の卵巣と卵管を摘出して、その後、BEP療法を行うのが標準治療です。この治療を受けて、卵黄嚢腫瘍を完治させ、お子さんをもうけている方は大勢いらっしゃいます。

この方は17歳と若いですから、手術とBEP療法を受けることで、今後、お子さんに恵まれる可能性は十分にあるでしょう。手術は前述のとおり、腫瘍のある左側の卵巣と卵管の摘出術が基本です。

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