病理検査の結果、卵巣境界悪性腫瘍とわかった。卵巣がんとの違いは?
腹痛に見舞われて、近所の産婦人科医院で診察を受けました。紹介された総合病院で悪性の卵巣腫瘍が疑われて、手術を受けました。数日後、病理検査の結果、卵巣境界悪性腫瘍とわかりました。卵巣がんのステージ1C期に相当するとのことです。卵巣境界悪性腫瘍と卵巣がんとの違いについて教えてください。もう1つ、今後の治療法についてアドバイスしてください。
(岐阜県 女性 35歳)
A 悪性度は低いが、卵巣がんと違って抗がん剤が効きにくい
卵巣境界悪性腫瘍は、良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)との中間に位置する腫瘍で、悪性度の低いがんと考えていただければよいかと思います。ほとんどの境界悪性腫瘍は、卵巣に限局している1期の状態で発見されます。
卵巣境界悪性腫瘍の1C期とは、一般的に、卵巣が術前や術中に破裂したもの、卵巣が破裂してなくても腹腔洗浄細胞診で腫瘍細胞があるものを言います。まれに卵巣の外に広がった状態で見つかることもあります。これは、卵巣境界悪性腫瘍の2、3期となります。
卵巣境界悪性腫瘍は、卵巣がんと違って、抗がん剤が効きにくいと考えられています。
相談者は、1C期とのことですから、手術だけで治るかと思います。手術後1~2年間は3カ月に1回ペースで、その後は6カ月に1回ペースで、CA125などの腫瘍マーカーのチェックをしてください。