ステージCの前立腺がんに、術前内分泌療法は必要か
ステージCの前立腺がんと診断されました。全身状態は比較的良好で、年齢も考慮して、手術(根治的前立腺全摘除術)を勧められています。この手術で、完治をめざしましょう、と主治医にいわれています。インターネットで調べてみると、LH-RHアゴニストや抗アンドロゲン剤を手術前に投与して、前立腺とがんを小さくさせ、それから手術をする方法もあることを知りました。術前内分泌療法(術前ホルモン療法)というようですが、手術前にホルモン治療を行うことはとくに必要ないでしょうか。
(大阪府 男性 67歳)
A 初診時のPSA値が、20~25を超えている場合に行うことが多い
ステージCの前立腺がんに対する術前内分泌療法については今、欧米諸国からいろいろな研究発表が出されている段階です。なかには、術前内分泌療法を行うことで、がんが少し小さくなり、その後、手術でがんを切除すると、治療成績がよくなるという報告もあります。
日本では、初診時のPSA値が20~25ナノグラム/ミリリットルを超えている場合は、術前内分泌療法を行っている医療施設が多いと思います。また、手術までの期間があくときに、患者さんの安心とがんの進行を食い止める意味合いから、術前内分泌療法を行うこともあります。