PSA検査はどの程度信頼できる検査なのか

回答者:赤倉 功一郎
東京厚生年金病院 泌尿器科部長
発行:2010年6月
更新:2013年12月

  

PSA(前立腺特異抗原)検査について、お聞きします。知人から前立腺がんについて、話を聞くことがしばしばあります。PSA検査は大切という話と同時に、気にしないほうがよいという話も出ます。私は、数年前に、PSA検査を受けただけです。この検査は、どの程度、信頼できる検査なのでしょうか。また、どの程度の間隔で、受けたらよいのでしょうか。

(愛媛県 男性 67歳)

A PSA検診は前立腺がんによる死亡率を減らせる

あくまでも一般論ですが、PSA検査は感度の高い検査ですが、その診断確率が100パーセントというわけではありません。

PSA値が4~10ナノグラム/ミリリットル(以下、単位省略)のグレイゾーンなら、前立腺がんと診断される確率は30~40パーセントです。裏を返せば、60~70パーセントは前立腺がんではありません。

どの程度の間隔でこの検査を受けたらよいのかについては、ガイドラインがあります。PSA値が1以下なら3年ごと、1.1~4なら1年ごとに受けることが勧められています。

09年5月、欧州で「PSA検診は、前立腺がんによる死亡率を減らせる」というデータが発表されました。

この研究では、PSA検診を行うグループとPSA検診を行わないグループの2つに分けて、ランダム化比較臨床試験を行いました。

その結果、PSA検診を受けるグループのほうが、20パーセントほど、前立腺がんによる死亡率が減少したという結果が出ました。そのため、日本泌尿器科学会としても、50歳以上の男性にPSA検査を受けることを推奨しています。

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