治療後も男性機能を維持したい。神経温存手術か?

回答者:赤倉 功一郎
東京厚生年金病院 院長補佐・泌尿器科部長
発行:2013年3月
更新:2013年11月

  

前立腺がんが見つかり、がんを切る手術を受けるように言われました。私は勃起機能を失いたくないため、神経温存手術を望みます。難度や再発リスクに差はありますか? それとも、放射線治療を選ぶべきですか?

(愛知県 49歳 男性)

A 難度、再発リスクのほかに副作用など総合的判断を

前立腺の両側には、神経が網目状に走っています。この神経が前立腺と一緒に切除されると、勃起は起きなくなります。その神経を残すためには、神経と前立腺被膜をはがして前立腺だけを摘出する必要があります。

通常の摘出手術よりも難度が増すことは確かです。理由は、電気凝固などの止血器具を使うとその神経が傷つく恐れがあるため、糸やクリップを用いた止血操作が必要となるためなどです。

再発リスクは、低リスクがんの場合はあまり気にしなくてもよいのですが、高リスクがんになるとがんを取り残す可能性は上がってしまいます。

留意しなければならないのは、神経温存手術をしてもそれで100%勃起機能が残るかは保証されないということです。また、バイアグラなどの勃起障害治療薬が必要となることも多々あります。

機能が残る確率は年齢にもよりますが、両側の神経を温存した場合は40~80%、片側だけ温存した場合には20~60%ほどです。神経が網目状であるため、大きなところを残しても網目が微妙に傷つくこともあるからです。

放射線治療は、勃起機能が温存する可能性は手術より高いのですが、血便、血尿、2次発がんなどの副作用を起こすことがあります。

両者には治療成績に大きな差はありませんが、副作用が違います。また、もともと勃起機能には個人差があります。勃起機能だけでなく、そのほかの要素も総合的に考慮し、医師と相談のうえで治療法を選択することをお勧めします。

同じカテゴリーの最新記事

  • 会員ログイン
  • 新規会員登録

全記事サーチ   

キーワード
記事カテゴリー
  

注目の記事一覧

がんサポート10月 掲載記事更新!