手術後の失禁。おむつ以外は?

回答者:赤倉 功一郎
東京厚生年金病院 院長補佐・泌尿器科部長
発行:2013年5月
更新:2013年11月

  

前立腺がんの手術後の失禁について悩んでいます。医師には3カ月ほどで治ると言われましたが、なかなか治りません。歩いているときや電車、バスに乗っているときなどにとても気になります。おむつ以外の対策はありますか?

(千葉県 男性 78歳)

A 1年以内なら体操など食事も関係

術後の尿失禁は、平均的には1カ月で治りますが、熟練の医師が執刀しても5%ほどの割合で生涯失禁が残る患者さんはいます。これは、必ずしも手術が上手下手という問題ではありません。

失禁がおこるのは、腹圧によります。立ち上がるときとか、くしゃみをしたときとか、腹圧がかかったときに漏れるケースが多いです。

手術後、1年以内ならば、これから良くなる可能性もあります。体操や尿道括約筋を強くする薬もあります。

体操は、骨盤底筋体操といい、入浴中に簡単にできるものとして、陰嚢の裏側の付け根に指を当てて尿をしている途中で止めるつもりで力を入れてみること、などがあります。

コラーゲンの注入などもありますが、効果的手法として人工括約筋の手術があります。残念ながら、日本では保険適用されておらず、あまり行われていません。

ご本人にとっては悩ましいことと思います。おむつもいろいろ開発され、大きさや機能などに特色を出しています。

食事に注意することも大切です。にんにくやにらといった臭いの強い食材を摂ると尿のにおいも増しますので、できるだけ避けていただくほうがよいかと思います。

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