まぶたの下にほくろ。基底細胞がんなら、どんな治療法がよいか?

回答者:並川 健二郎
国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科医師
発行:2010年3月
更新:2013年12月

  

左のまぶたの下に、ほくろができました。とくに気になる症状はなかったので、そのまま放っておきました。大きさは、1センチほどです。近くの書店で健康関連の雑誌を読んでいて、基底細胞がんという病名を見つけました。私のほくろのことが書かれていたような感じがしました。この病気だとしたら、どんな治療法がベターなのでしょうか。

(福岡県 男性 72歳)

A 放っておくと進行。手術できっちり切り取ることが一番

基底細胞がんは多くの場合、眼や鼻の近くといった顔の真ん中付近にできます。1センチとのことですから、大きさは通常です。

診断にはダーモスコピーが役立ち、典型的なものならダーモスコピーで見るだけで診断がつきます。しかし、ダーモスコピーだけでは診断がつきにくいときは、皮膚生検を行います。皮膚生検は、外来で局所麻酔をして、数ミリ程度の切除をするだけです。

とくに、まぶたや眼に近く、簡単に切除して縫い閉じることができないところの場合には、皮膚生検できちんと診断をつけてから治療をしたほうがよいでしょう。もし基底細胞がんではなく、良性のできものなら切除しなくてもよいからです。

基底細胞がんは、転移はほとんどありませんが、放っておくと、徐々に大きく深く進行してしまいます。したがって、治療としては、手術できっちり切り取ることが一番です。完全に切除できれば、治ることがほとんどです。相談者のように眼の近くの手術では、切除したあとにそのまま縫い合わせると、眼が閉じにくくなるといった不都合が起こることもあります。その場合、局所皮弁という周囲の皮膚を切りよせて傷をふさぐ工夫が必要なことがあり、皮膚科だけではなく形成外科と共同で行うこともあります。

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