幽門側胃切除術後に逆流性食道炎を併発、対処法は?

回答者・山口俊晴
がん研有明病院副院長・消化器センター部長
発行:2014年2月
更新:2019年7月

  

父(71歳)が半年前に胃がんと診断され、幽門側胃切除術を受けました。しかし、術後化学療法(TS-1)の3クール目で逆流性食道炎を併発しました。水や食事も摂れず苦しそうです。対処法はあるのでしょうか?

(39歳 女性 鳥取県)

症状に応じ、経口薬の服用などを

がん研有明病院副院長・消化器センター部長の山口俊晴さん

■幽門側胃切除術

胃には、その入口といえる「噴門」と十二指腸側にある出口の「幽門」がありますが、胃がんの7~8割が幽門部側に発症します。幽門側胃切除術とは、胃の幽門部側と十二指腸の一部を切除して吻合し、さらに周辺のリンパ節を郭清する手術です(図)。

この手術では、逆流防止機能を有する幽門が失われるため、十二指腸から胆汁や膵液などが胃に逆流することがあります。また、胃液が噴門を越え食道まで逆流することで食道に炎症が生じることがあります。これを逆流性食道炎と言いますが、抗がん薬治療との関連性はありません。

逆流性食道炎の症状には、逆流してきた胆汁による苦みや胃液による酸味、胸やけや吐き気、声のかすれなどが挙げられます。予防法として、上半身を20度くらい高くして寝ることが勧められています。また、就寝前の食事を控えたり、乳製品や油っこいものを摂らないようにすることなどが挙げられます。

対処法には、病状に応じて粘膜保護薬や胃液に対する制酸薬(H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬)の1日1回、膵液の消化酵素に対する酵素阻害薬(フオイパン)の1日3回の服用が挙げられます。

ただ、水や食事も摂れない原因は、逆流性食道炎だけではなく、胃がんの再発などにより胃と十二指腸との吻合部が狭くなることもありますので、調べることも必要です。担当医と十分に相談してみてください。

TS-1=一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム 吻合=外科手術における手技の1つで、分離している血管や神経を接続すること

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