胃がんの肝転移。抗がん薬以外の治療法は?

回答者・小池幸宏
関東中央病院消化器内科部長
発行:2014年9月
更新:2019年7月

  

2年前に胃がんの手術をしました。筋層に至る腫瘍でした。胃に再発はみられないものの、最近肝臓に転移が見つかりました。このような場合、外科手術は行なわず、化学療法で治療するとのことです。ほかに治療方法はないのでしょうか。

(49歳 女性 大分県)

抗がん薬は、できれば手術などでがんを減らしてから

関東中央病院消化器内科部長の
小池幸宏さん

胃がんに関しては、たとえ1つの肝転移でも転移があった時点で手術をせずに、抗がん薬による治療のみを行うという方針をとっている施設も多くあります。

一方、臨床研究によると、胃がん肝転移手術後の5年生存率は40%程度です。それに対し、胃がんの再発転移で抗がん薬の治療をした場合には、2年の生存はなかなか難しいとされています。このような現状をみると、胃がん肝転移の治療法に手術も適応になると考えます。特に、転移が1つだけの単発転移のような場合に限ると、手術で腫瘍の量を減らしてから、術後の補助療法として抗がん薬による化学療法を行うのが、1つの治療法になります。

手術を行わない施設や希望しない患者さんの場合には、ラジオ波焼灼療法による治療も検討に値します。ラジオ波焼灼療法の場合は、辺縁にがんが残る危険性はありますが、転移が小さければ小さいほど、その危険性は減り、転移の大きさが3㎝ぐらいまでであれば、かなり精度のよい治療ができます。

たとえ焼灼後にがんが少し残ったとしても、「がんの量を減らした上で抗がん薬治療をしたほうがよい」という考え方があります。つまり、がんを極力少なくした上で投与した抗がん薬が効果を発揮すれば、そのまま抗がん薬治療を続けることで、完治やそれに近いところまで導ける可能性が出てくるからです。

一方、手術もラジオ波も行わなかった状態で抗がん薬治療に臨んだ場合、抗がん薬が効かなかった場合には、がんもかなり増大していることになります。その時点ですでに、セカンドライン治療薬に切り替えるなどの選択ができない病状に至っている危険性も高くなります。私の考えとしては、手術やラジオ波でしっかりがんの量を減らしてから抗がん薬治療をして、その後の治療の可能性を広げていただきたいです。

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