術後1年で再発。今後の治療法は?

回答者:山口 俊晴
がん研有明病院 副院長・消化器外科部長
(2011年3月)

2年前に胃がんと診断され、胃を3分の2切除しました。術後はTS-1(一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)を1年間服用しましたが、先日の定期検査で再発が見つかりました。せっかく術後にTS-1を飲み続けたのに再発してしまって、とても残念に思います。主治医からは抗がん剤治療を提案されていますが、どういう薬がよいのでしょうか。また、最近ゼローダ(一般名カペシタビン)という抗がん剤が保険適用になったとニュースで見ましたが、効果はどうなのでしょうか。

(和歌山県 男性 58歳)

A TS-1、ゼローダとは違った系統の抗がん剤を

1年間、TS-1を服用して再発したということですから、TS-1は再発したものには効きにくいと考えるのが一般的です。ゼローダは、基本的にはTS-1と同じ系統の薬ですから、TS-1が効かなかったがんにはゼローダの効果は期待しにくいといえます。ゼローダは海外では一般的にはよく使われていますが、胃がんについてTS-1より優れているという証明は現時点ではされていません。

そこで、TS-1とは違った系統の抗がん剤、たとえばタキサン系統〈タキソール(一般名パクリタキセル)、タキソテール(一般名ドセタキセル)など〉、カンプト/トポテシン(一般名イリノテカン)、シスプラチン(一般名)が選択されます。それぞれ副作用が違いますので、体調に応じて選択されることになります。シスプラチンは単独で使われることはなく、通常5-FU(一般名フルオロウラシル)系統の薬剤〈TS-1、ゼローダ、UFT(一般名テガフール・ウラシル)など〉と併用されます。どれから使ったほうがよいという順番はとくに決まっていません。効果も患者さんによって違います。

ご相談者の場合、手術をすでに終えているので、残念ながら行えませんが、手術をするときに抗がん剤の感受性テストを行うことも、抗がん剤の選択に役に立つかもしれません。一部の感受性テストは保険も適用できます。そのほか、先進医療として行われる感受性テストもあります。しかし、まだ十分なデータが集まっていないので、否定的な見方をする人もいます。