主治医との関係がぎくしゃく

回答者・大沢かおり
東京共済病院がん相談支援センター医療ソーシャルワーカー
(2016年1月)

私の父(69歳)は、1年ほど前に膵がんの手術を総合病院で受けたのですが、先月肝臓への転移が認められ、手術を受けた病院で、抗がん薬による治療が始まりました。ただ、主治医との関係がよくなく、いわゆる「性格が合わない」という状況なので、都内のがん専門病院への転院を考えています。しかし、主治医からは、最低3カ月間はここで抗がん薬による治療を継続して行って、経過を見てから転院したほうがよいと言われ、転院に必要な紹介状を書いてもらっていません。今後どのように対処していけばよいでしょうか。

(41歳 女性 神奈川県)

まずは転院先の確保を。その上で紹介状を書いてもらう

東京共済病院がん相談支援センター
の大沢かおりさん

この情報のみではよく状況が把握できませんが、「3カ月間引き続き抗がん薬治療を行い、経過を見てから」と言われたということは、主治医はもしかすると、「患者さんが別の治療法としてどういったものがあるのかを、他の病院に相談に行きたい。そうであるのなら、まずは今の薬の効果がどうだったかがわからないと、紹介される病院のほうも困ってしまう」と考えたからかもしれません。

推測ですが、主治医に紹介状を書いてもらうときに、主治医との関係性を損ねないように気を遣って、「他の治療法の相談もしたいので紹介状を書いて欲しい」というような、当たり障りのない言い方をしたのではないでしょうか?そうであれば、主治医の返答は納得できます。

「性格が合わない」というものが、もうすでに主治医との関係性が完全に壊れて、外来で話をするのも苦痛なほどであれば、率直にその旨を伝えて、主治医に紹介状を書いてもらうしかないと思います。外来時に医師とのコミュニケーションを気兼ねなくすることができるというのは、病状の進行の事実を聞くときや、自分の望む生活に合わせて治療法を選ぶ際にも、とても大切なことです。

なお転院先として考えている病院は、今の病状で受けてくれることが確定しているのでしょうか? 病院によっては、転移した患者さんの受け入れを制限しているところもあるので、まずはセカンドオピニオン外来の予約を取って、その外来の際に転院を引き受けてくれるかを尋ね、承諾を得る必要があります。転院するには、その上で後日改めて診療の予約を入れるシステムのところが多いです。

もし、ちょっとした食い違いから主治医との関係性が悪くなっているのであれば、身近な看護師や、相談支援センターに相談してみることも検討されてみてはいかがでしょう?中にはユニークな医師もいらっしゃるので、実はあなたと同じように「性格が合わない」と感じている患者さんからの相談を受けていて、主治医との付き合い方のコツなどを教えてくれるかもしれません。他の人に話すことで、気持ちが楽になることもありますし、内容がそういう次元でなければ、解決に向けた方法を考えてもらえるかと思います。