類内膜腺がんで、術後経過観察中。再発した場合、どんな治療が有効か

回答者:磯西 成治
東京慈恵会医科大学付属青戸病院 産婦人科診療医長
発行:2009年1月
更新:2013年12月

  

半年ほど前に子宮体がんの手術を受けました。類内膜腺がんで、病期はステージ1、分化度はグレード1とのことです。再発リスクは低いとのことで、経過観察中です。これまで、順調な経過をたどってきましたが、再発への不安があります。再発した場合、どんな治療が有効なのでしょうか。アドバイスしてください。

(福井県 女性 37歳)

A 形式、部位により取り扱いは異なり、標準的治療はない

Q:子宮体がん1期との疑い。診断がはっきりしない状態での手術は不安」で述べたような標準的な手術が行われたうえで、1a期の類内膜腺がん、グレード1ということであれば、再発リスクはきわめて低いと考えられます。

子宮体がんの再発は、局所で孤立した再発、播種性病変としての再発など、その形式、部位により取り扱いは異なり、標準的な治療はありません。

一般的に、前者のような局所で孤立した腫瘤性病変の場合には、まず切除術の可能性を検討し、その場所を切除してから化学療法を行うのが順当と考えます。

化学療法は、ブリプラチン(またはランダ)とアドリアシンの併用や、パラプラチンとタキソールの併用を行います。

後者の播種性病変としての再発などでは、切除による効果は得にくく、化学療法を行います。

病期
(ステージ)
0期 子宮内膜の異型増殖状態(正常の細胞とは顔つきが異なった異型細胞といわれる細胞が増えている状態)を認めるもの
1期 がんが子宮体部にのみ認められるもの(子宮頸部、その他にがんは認められない)
1a期 子宮内膜にのみ認められるもの
1b期 がんの子宮筋層への浸潤が筋層の1/2以内のもの
1c期 子宮筋層への浸潤が筋層の1/2を越えるもの
2期 がんが子宮体部を越えて子宮頸部に拡がったもの(がんは子宮の外に出ていない)
2a期 頸管内の浸潤が粘膜内にあるもの
2b期 頸管内の浸潤は粘膜を越えて深く浸潤しているもの
3期 がんが子宮外に拡がっているが、骨盤を越えて外には拡がっていないもの、または骨盤内あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移を認めるもの
3a期 がんが子宮の外の膜や骨盤の腹膜あるいは卵巣卵管に転移しているもの、あるいは腹水の中にがん細胞の認められるもの
3b期 腟壁に転移を認めるもの
3c期 骨盤内、あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移を認めるもの、もしくは、基靭帯(きじんたい)に浸潤を認めるもの
4期 がんが骨盤を越えて身体の他の部位へ拡がるか、または膀胱、あるいは腸の内腔を侵すもの
4a期 膀胱あるいは腸の粘膜までがんの浸潤を認めるもの
4b期 骨盤を越えた遠隔臓器転移を認めるもの、あるいは腹腔内や鼠径部(そけいぶ:足のつけ根)のリンパ節に転移を認めるもの
出典:国立がん研究センターホームページ

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