患者会での気づき

文:田中祐次 東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワーク部門客員助手
NPO血液患者コミュニティ「ももの木」理事長
イラスト:杉本健吾
(2008年11月)

ももイラスト

たなか ゆうじ
1970年生まれ。徳島大学卒業。東京大学、都立駒込病院を経て、米国デューク大学に留学。
現在は東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワーク部門客員助手。
2000年、患者会血液患者コミュニティ「ももの木」を設立し、定期的な交流会を続けている

患者会の様子とそこから僕が最近気づいたことを書きたいと思います。「ええ――、もも先生今頃気がついたの?」「そんなことないよ――違いますよ」などなど、皆さんの感想も聞きたいです!!

僕が主催する患者会「血液患者コミュニティももの木」では交流会と称したおしゃべりをする集まりがあります。というか、実はこれがももの木の大きな柱の活動の1つです。

交流会は2カ月ごとに開いています。だいたい土曜日の午後2時くらいから、毎回大学の広めの部屋を借りて行っています。部屋のレイアウトとしては、机を中心に「お菓子置き場用」、周りに「荷物置き場用」として並べ、真ん中に椅子を集めて円にします。時間になったら、何となく始めます。

最初に自己紹介。常連の方は短めですが、初参加の方は長めに話してもらいます。また、近況報告で話が長くなる方もいます。でもいいのです。この自己紹介がとても大切なのです。そして、みんなも真剣に聞いています。

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自己紹介の締め括りは私こと「ももセンセー」が話します。ももの木の近況報告が主になるわけですが、ここでの話が要領を得ないことが多く、常連の方からの突っ込みと、初参加の方の苦笑がみられます。ともかく、無事に自己紹介を終えたら、おしゃべりのスタートです。おしゃべりはだいたい2~3人で行われます。4人5人と増えてくると話題が1つから2つへと広がり、4~5人いたグループがその中で2~3人のグループに分かれて話し始めます。時には、席を移り、話の輪に入ったり、今度はその中で別の輪ができたりと、そうやっていろいろな話で盛り上がります。みんな、少人数の会話を好むようです。というのも、みんな話を聞きたい、そしてそれ以上に話をしたいからです。自己紹介のときに「あ、この人と話をしてみたい」と思う、そういう人を探している気がします。だから時間がかかっても、自己紹介は大切です。

患者会の交流会では、僕はおしゃべりがメインイベントだと思っています。いつも3時間くらい時間をとっていますが、終わりにすることが大変です。話の切れ目が見つからないのです。時間がきて交流会の終わりを告げても、話が絶えず、喫茶店に向かう人たちもいます。こうして交流会が終わっていく、というか続いていきます。

自己紹介というのは本当に大切です。そして、僕自身、自己紹介のときに気づかされるある言葉があります。それは、「今日は交流会でみなさんから元気をもらいにきました」という言葉です。この言葉に、医療の反省とこれからの医療の予感を感じるからです。

次回、反省そしてその予感について書きたいと思います。