おしゃべり会を一緒に作っていきましょう!!

文:田中祐次 東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワーク部門客員助手
NPO血液患者コミュニティ「ももの木」理事長
イラスト:杉本健吾
(2008年1月)

ももイラスト

たなか ゆうじ
1970年生まれ。徳島大学卒業。東京大学、都立駒込病院を経て、米国デューク大学に留学。
現在は東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワーク部門客員助手。
2000年、患者会血液患者コミュニティ「ももの木」を設立し、定期的な交流会を続けている

「おしゃべり会」を定期的に開くことが大切です

院内患者会というものは文字通り院内で開催される患者会です。患者会というと昔は訴訟のように、病院に対抗するような集まりという印象があったかもしれません。

現在、ある本では、日本国内で患者会は約1400くらいあるそうです。そして、多くの会の年間予算が200万円以下だそうで、その事を考えると実際の会の運営は個人のボランティアで行われている事がわかります。

つまり、患者会は決して医療者や病院と対峙する集まりではないと思うのです。

僕のいう「院内患者会」は患者さんや家族同士の情報交換が重要と考えているので、交流会(砕けた言い方として「おしゃべり会」)を定期的に開催することが第1の目的となっています。

信頼できるコミュニティを作りましょう

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昔は医療情報が患者さんや家族の方の手の届くところにはなかなかありませんでした。そこで、専門の先生や看護師に講演をしてもらう、という形で患者会を開催し、医療情報を集めていたのだと思います。

今ではインターネット上で情報があふれているために、より信頼できる情報を欲するようになっていると思います。

たとえば国立がん研究センターや「がんサポート情報センター」のホームページに行けばたいがいのがん情報を得ることができます。そして、個人のホームページやブログなどにより患者さんや家族から発信されている情報(体験記など)も得ることができます。

さらに、インターネットに加え携帯電話が出現したため、人のつながりが急速に広がり、そのために患者さん同士の新たな、そして多くのコミュニティが作られ始めています。

以前は同じ入院仲間という範囲のコミュニティだったのが、インターネットの発達により、同じ病気であったり同じ治療方法であったりと自分と同じ境遇の仲間を全国から、そして全世界から探し出せるようになりました。こうして今までと異なるコミュニティが作られ、新しい形での情報伝達が始まったのです。

さらには、インターネットで出会った患者さん同士が実際に会い話しをしたり、旅行などを楽しんだりしています。

しかし、その一方でインターネットを通じてできた仲間が思わぬことで崩れてしまうというコミュニティもありました。

たとえば、ある患者さんの書き込んだ意見に対して、別の1人が責めるような内容を書き込んだことで両者にわだかまりが生じ、結局そのインターネット上のコミュニティは消滅してしまいました。

これは、コミュニティ内の信頼感などが希薄だったためだと思うのです。

院内患者会で行われる交流会では、もちろん患者同士が実際に出会い顔をあわせて話をしているのでインターネットに比べて出会いの機会は少ないものの、その分、強い信頼関係のなかで話し、情報を交換できます。 こういった、現実に知りあった仲間同士がインターネットを利用してコミュニティを作り上げていけば、別々のコミュニティの人たちとインターネット上で出会い情報を交換しても、お互いの信頼関係を認めたうえでの交流になり、今までとは違う広がりのあるコミュニケーションがとれるのではと考えています。

院内患者会の世話人の方々の集い

11月3日の「院内患者会世話人連絡協議会」の様子
11月3日の「院内患者会世話人連絡協議会」の様子です

さて、2007年の秋に始まった「院内患者会世話人連絡協議会」ですが、名前の通り「院内患者会」の世話人の方々の集いの場です。

心温まるコミュニティである院内患者会を主催するメンバー(僕は世話人と呼んでいますが)には、それぞれの悩みや苦労があります。その悩みや苦労をしょってでも活動を続けるのは、それだけ院内患者会の素晴らしさを実感しているからだと思うのです。ただ、ときには相談できる仲間も必要と思い、そこで世話人の方々の集まる院内患者会世話人連絡協議会を開催しています。

ここでは、世話人の方々のそれぞれの会の設立や運営の知恵を集め、逆にその情報を参加者が共有するようにしています。実際に、院内患者会設立マニュアルを作成し、今は2つほどの院内患者会の設立を手伝っています。また、協議会やその後の懇親会でお互いの交流を深め(やはりここでもおしゃべりが大切!!)ています。

今後、院内患者会を作ってみたいと思っている方、いえいえ、もっと簡単に、知り合った人とおしゃべりする機会が欲しい、と考えている方も、是非、連絡をください。そして、一緒に作って行きましょう!!

ももセンセーへ連絡をとりたい方へ

実は先日ある患者さんから連絡がありました。そのときに、「コラムを読んで、是非連絡を取りたいと思った。けれども、どうやっても連絡方法が分からず、探して探して……」と言われてしまいました。確かに、「一緒に作って行きましょう!!」と呼びかけても、僕からの一方通行ではいけないですよね。

もし、賛同してくださる方や、僕に質問などある方がおられましたら、是非ご連絡ください。

連絡先は、電子メールでしたら こちら宛に。院内患者会世話人連絡協議会のホームページ も見て下さい。それ以外の方法では、がんサポート編集部(FAX:03-3526-6303)にご連絡くださいね!!