長谷川記子の心と体の特効薬

五感を刺激して生きる気力を呼び起こす


(2005年3月)

はせがわ のりこ
星薬科大学薬学部卒業。
香りや予防医学への興味から、ヨーガ・薬膳・ハーブのアロマテラピーを研究。
薬剤師、アロマテラピスト。著書『ガンを癒すアロマテラピー』(リヨン社)

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イラスト:ペパーミント

私のところに、父親が肺がんの末期で生きる気力をなくしているからどうにかしたいと、相談に来た息子さんがいました。お父さんは気管切開をされ、栄養は点滴で補給しているとのことです。

私はこのお父さんの心の状態を知りたいと思い、息子さんにフラワーレメディーのチェックカードをしてもらいました。この方法は、花の絵が描かれている24枚のカードから3枚好むカードを選んでもらい、その3つの花から心の状態を探るというものです。

息子さんにカードを見せて、お父さんの部屋に飾りたい花を選んでもらうと、そのカードが示していたのは「誠実」「抑圧」「愛情の欠如」でした。息子さんによると、お父さんは「誠実」で生真面目な方で、家族に尽くしてきたと言います。カードに「抑圧」と出たのは食欲がなく点滴につながれた状態だからだと思います。そして「愛情の欠如」が出たのは、お父さんが病床で、今、寂しさを感じているからではないかと考えました。

そこで私は息子さんに次のようなアドバイスをしました。お父さんとの子どものころの思い出の写真があったらそれを見せながら「○○へ行ったときは楽しかったね。お父さんと一緒でうれしかったよ。ありがとう」と、感謝の気持ちを伝えてあげてください。そしてお母さんにも、お父さんが大事な人であることを言葉で伝えてあげるように頼んでください。家族の気持ちを聞くと、きっとお父さんは生きる気力が出てくると思います、と。

また、このお父さんの状態に合う精油をブレンドし、家族の手でお父さんの手足をトリートメントしてあげるように勧めました。肺がんの患者さんに最もよく使う精油はユーカリです。ユーカリに含まれるユーカリプトールという成分には抗炎症作用があり、胸の奥の痛みや咳を鎮める作用があります。これに不眠を解消するラベンダー、勇気や活力の出るペパーミントの3種類を組み合わせました。お父さんはむくみがあると聞いたので、とくに手の生命線の上あたりと、足裏の土踏まずのあたりをやさしくトリートメントしてあげると、むくみをやわらげる効果があることも伝えました。

がんの末期になり、寝て過ごすことが多くなると、生活の変化がなくなってきます。でも精油の香りで嗅覚を刺激し、マッサージで皮膚を刺激すると、心地いいという感覚を呼び起こしてあげることができます。この心地いい感覚こそ、生きる気力となります。ご家族が患者さんに何かしてあげたいと思ったら、言葉をかけたり、マッサージをしたり、いい香りを嗅がせてあげたりして患者さんの五感を刺激し、心地いい感覚を呼び起こしてあげてください。枕元に精油の香りがするハンカチを置いてあげるだけでも、患者さんの気持ちはやわらぐでしょう。