低侵襲で注目の腹腔鏡による子宮体がん手術
2012年12月
「腹腔鏡での治療は患者さんの負担を減らせます」と語る八幡哲郎さん子宮体がんの手術法として、今腹腔鏡下手術が注目されている。傷が小さいので、痛みが少なく回復も早い。また出血量も少なく、社会復帰も早いなど、多くの利点がある。新潟大学医学部産婦人科准教授の八幡哲郎さんによると「治療成績も開腹手術に劣らないという結果が出ている」そうだ。初期のがんが対象腹腔鏡下手術この日腹腔鏡下手術を受けるのは、56歳の女...
新・先端医療
2012年12月
「腹腔鏡での治療は患者さんの負担を減らせます」と語る八幡哲郎さん子宮体がんの手術法として、今腹腔鏡下手術が注目されている。傷が小さいので、痛みが少なく回復も早い。また出血量も少なく、社会復帰も早いなど、多くの利点がある。新潟大学医学部産婦人科准教授の八幡哲郎さんによると「治療成績も開腹手術に劣らないという結果が出ている」そうだ。初期のがんが対象腹腔鏡下手術この日腹腔鏡下手術を受けるのは、56歳の女...
2012年11月
「ダヴィンチ手術は将来性が望める治療です」と話す須田隆さん手術支援ロボット・ダヴィンチを使った手術は、日本でも前立腺がんや子宮体がん、子宮頸がんなどを中心に広まりつつあるが、藤田保健衛生大学医学部呼吸器外科准教授の須田隆さんは、肺がん手術にダヴィンチを導入。「手術野が立体的にみえること、さらに操作性が高いので、胸腔鏡より精密な手術が可能ではないか」と話している。4カ所に穴を開けて行うダヴィンチ手術...
2012年10月
「肝臓の手術も腹腔鏡で行えるようになりました」と語る金子弘真さん肝臓は、血管に富んだ臓器のため、出血のリスクが大きく、これまで肝切除といえば開腹手術が主流だった。しかし、東邦大学医学部一般・消化器外科主任教授の金子弘真さんは腹腔鏡下手術を積極的に導入。熟練した医師が行えば、適応はやや限定されてはいるものの、患者さんに低侵襲で開腹手術と変わらない治療成績をあげられるという。出血を抑えながらの治療トロ...
2012年9月
細胞シートを始めとする再生医療の第一人者の 大和雅之さん 食道がんの内視鏡手術後に発生する潰瘍は、食道の狭窄を招き、患者を悩ませる。ところが、東京女子医科大学先端生命医科学研究所教授の大和雅之さんによると「細胞シートを絆創膏のように傷口に貼るだけで、潰瘍は治る」という。細胞シートを用いた再生医療が、がん治療の分野でも画期的な進歩をもたらしつつあるのだ。 瀕死の少年を救った細胞シート再生医療などま...
2012年8月
「無理は禁物、きちんと 適応を考えるべき」と語る 内視鏡のスペシャリスト 金平永二さん 最近、内視鏡手術でもたったひとつの穴から全ての操作を行う「単孔式内視鏡手術」が注目を集めている。先駆者の1人であるメディカルトピア草加病院院長の金平永二さんは「傷痕はほとんどわからなくなりますが、がんの場合は根治性の確保が第一です」と語っている。 おへその穴からアプローチ 医療器具の進歩により、傷がおへその...
2012年7月
「腸を使って新しい膀胱を造る ことができます」と話す 武藤智さん 膀胱の全摘手術を受けると、以前は腹壁に造った穴から尿を排泄することが多かった。しかし今では、小腸を使って「新膀胱」を造設することで、自分で排尿することが可能になった。帝京大学泌尿器科准教授の武藤智さんによると「条件さえ合えば何歳でも新膀胱は可能」だという。まずは膀胱を全摘 膀胱は、前立腺とともに全摘する 今日、手術を受け...
2012年6月
「移植後の周囲のサポートが移植成功の秘訣です」と話す 鬼塚真仁さん これまで、高齢者には難しいとされてきた骨髄移植だが、東海大学医学部血液・腫瘍内科では、高齢者にも適応できる移植法を工夫。若い人並の治療成績をあげている。しかし、同科講師の鬼塚真仁さんによると、成功に一番重要なのは「家族や周囲のサポート」だという。老後を奪う骨髄異形成症候群 無菌室の様子。前処置である抗がん剤や放射線の量が少...
2012年5月
「つらい下肢のリンパ浮腫の 改善に努めたい」と話す 北正人さん 卵巣がんや子宮がんなど婦人科がんは、リンパ節の郭清によって下肢のリンパ浮腫が起こりやすい。こうした患者さんの苦しみを少しでも軽減しようと、神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科部長の北正人さんは、リンパ管を温存してリンパ節だけを取る手術を実施している。 下肢のリンパ浮腫 [リンパ節郭清術の比較] 従来は血管を包む血管鞘や脂肪組織...
2012年4月
「エピジェネティック医薬品で患者さんのQOL維持に期待がかかります」と話す澤登雅一さん がんは遺伝子の病気。分子標的治療薬は、がん治療に新しい時代を開いたが、今、熱い注目を集めているのが「エピジェネティック治療薬」と呼ばれる薬だ。エピジェネティックとは何か。なぜ注目を集めているのだろうか。遺伝子発現のオン/オフを調整 今、分子標的治療薬に次ぐ新たながん治療薬として熱い注目を集めているのが、「エピジ...
2012年3月
腹水治療法を開発した 松﨑圭祐さんは 「腹水難民を作らない!」と話す 腹水はなるべく抜かないほうがいいというのがこれまでの常識。ところが、要町病院腹水治療センター長の松﨑圭祐さんは、従来の腹水濾過濃縮再静注法と呼ばれる方法を改良し、体力を落とさずに短時間で大量の腹水を処理することに成功。「腹水は治療できます。抜いて必要な成分を体に戻せば元気になるのです」と新たな常識を打ち立てている。 腹水を抜くと...