2024年11月
「欧州のガイドラインでも、2021年版からは遺伝子による分類が推奨されています。100年行われてきた見た目による分類から、遺伝子分類へと、脳腫瘍の診断方法が大きく変わることになったのです」と語る荒川芳輝さん 脳腫瘍の診断では、100年ほど前から腫瘍組織を観察して〝見た目〟で病気を分類していました。最近になって、遺伝子情報で脳腫瘍を分類する分子分類が診断に取り入れられるようになり、種類が多い脳腫瘍の...
2024年1月
「がん遺伝子パネル検査の目的は、発がんのドライバーになっている遺伝子変異を同定し、それを標的とした薬剤を見つけることです」と語る植木さん がんの原因となった遺伝子に起きている変異を特定し、それをターゲットにがん細胞を狙い撃ちするがんゲノム医療は、がん医療最前線の治療です。この医療を受けるにはがん遺伝子パネル検査を受けることが必要です。そのがん遺伝子パネル検査は、2019年6月から健康保険で受けられ...
2022年9月
「患者さんやご家族に、がんゲノム医療に関しての理解を深めてもらうようにしています」と語る田辺記子(たなべのりこ)さん 近年、その人に発症したがんの特徴を知るためのがん遺伝子検査や、多くの遺伝子を一度に調べるがん遺伝子パネル検査が登場している。患者さんのがんの遺伝子変異を検査し、その検査結果により、効果が期待できる薬剤や治験を探したりすることで、適切な治療選択が可能となり、薬物療法で治療成績を上げて...
2021年10月
「遺伝子パネル検査は標準治療が終わった段階では遅い。患者さん毎で検討し、1次か2次治療後などの、より早い段階で行うことが推奨されています」と語る砂川 優さん 共通の遺伝子変異があれば、がん種にかかわらず効果が期待できる臓器横断的治療薬として、2021年3月、TRK阻害薬ヴァイトラックビが承認された。TRK阻害薬としては2剤目だ。日本で初めてのTRK阻害薬ロズリートレクが、「NTRK融合遺伝子陽性の...
2020年12月
「肺がんの検査は、遺伝子パネル検査の方向にありますが、コストベネフィットも考える必要があるでしょう」と語る久保田 馨さん 近年、進行・再発非小細胞肺がんの薬物治療は選択肢が増え、目覚ましい進歩を遂げている。2002年に登場し、2004年EGFR遺伝子に変異のある患者に有効だとわかったイレッサを皮切りに、解明された遺伝子変異ごとの治療薬の開発が進み、非小細胞肺がんの薬物治療は細分化してきた。そんな中...
2019年11月
「適切な遺伝子の情報は、自分のためのものなのだと思って役に立ててほしい」と語る四元淳子さん 2019年6月、がん遺伝子パネル検査が保険適用になった。遺伝子情報を治療へ繋げていく試みは、スタートラインについたと言える。ただし、疾患に関連する遺伝子情報は、本人のみならず親族にも関わる繊細な問題だ。そんな様々なデリケートな部分をコンサルテーションするのが、認定遺伝カウンセラーだ。患者は今後自分の遺伝子情...
2018年11月
「患者さんにも読んでもらえるようゲノム検査ガイドラインを作成ましたが、遺伝子パネル検査が早く血液がん患者さんに実施出来るようでなければ」と語る小川さん 造血器腫瘍(血液がん)では、遺伝子の異常が治療の選択には必須であることが強く認識され、今までにも染色体検査やFISH法などさまざまな方法で、遺伝子の異常を検出し診断・治療につなげてきた。2018年5月、日本血液学会は、次世代シークエンス(NGS)の...
2018年10月
「日本でもゲノム医療の実施体制の整備が急ピッチで進められています。これからは遺伝子情報が薬剤選択に重要になってくる時代。将来的には膵がんにおいてもゲノム医療が治療の中心になっていくと期待できます」と語る金井さん 近年、注目が集まる「ゲノム医療」。ゲノムとは遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、ヒト(生物)が持つすべての遺伝子情報のことだ。膵がんにおいても網羅的なゲ...
2018年10月
「遺伝子検査はがんの精密な治療選択の上で大きな意味がある」と語る土原一哉さん がん患者のゲノム(遺伝子情報など)を調べて、がん細胞の遺伝子変異を検出し、それに見合ったより効果の高い治療法を選ぶ「ゲノム治療」。厚生労働省は、がん医療を充実させるための重点施策として取組みを加速させている。このゲノム医療のベースになるのが「遺伝子検査」だ。近年、先進医療として実地応用が進んでいる。このように遺伝子検査、...
2018年4月
「1滴の血液でがんがわかれば大きなアドバンテージになります」と語る高丸博之さん 1滴の血液から13種類のがんが早期発見できるというマイクロRNAを活用したがん診断法の研究が、国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野長・落谷孝広さんを中心に進んでいる。同じく当病院内視鏡科の高丸博之さんも、大腸がんの早期発見を可能にする診断法の実用化に向けて、その臨床的なパートの研究に協力している。 これまでは...