2023年7月
「IVRという名称は一般にはあまり知られていませんが、IVRという治療法は広く行われている治療法なのです」と語る山門さん 電磁波の一種であるラジオ波でがんを焼くラジオ波焼灼術は、2004年、肝がんの治療に対して保険適用されただけでした。しかし、昨年(2022年)9月から適応が拡大され、肺腫瘍、腎腫瘍、骨腫瘍なども保険で受けられるようになっています。これらの治療を以前から行っている兵庫医科大学放射線...
2021年7月
「腎細胞がんは、もともと免疫と深い関わりがあるがんで、免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせる複合免疫療法は理にかなった治療と言えます」と語る植村さん 進行腎細胞がんの1次治療は、がん免疫療法薬と分子標的のチロシンキナーゼ阻害薬を併用する「複合免疫療法」が中心となっている。現在は3種類の併用療法が行われているが、最近になって、2種類の複合免疫療法の第Ⅲ相試験結果が報告された。新たな複合免疫療法であ...
2021年1月
「古くは膀胱がんの原因に染料との関係が指摘されていました。現在は喫煙がもっとも大きな原因と考えられています」と湯浅健さん 尿路上皮がん(膀胱がん・腎盂がん・尿管がん)の進行・再発転移がんに対して、米国において新たな薬剤が承認された。「パドセブ」という抗体薬物複合体だ。免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダに次ぎ、これまで進行した尿路上皮がんの治療の選択肢は、化学療法以外にはほとんどなかった困難な...
2020年6月
「免疫関連有害事象の頻度を考えると、免疫チェックポイント阻害薬は必ずしも無敵とは言えません。リスク分類の細分化などさまざまな検討によってチロシンキナーゼ阻害薬単剤でも十分に適応する症例を見極め、明らかにしていきます」と話す本郷文弥さん 現在、転移性腎細胞がんに対する薬物治療の中心となっているのは、2018年に承認された免疫チェックポイント阻害薬(ICI)のヤーボイ(一般名イピリムマブ)とオプジーボ...
2020年6月
「これからの腎細胞がんの薬物療法は、6年先を見据え、10年先を意識していかなければならない」と語る冨田善彦さん 腎細胞がんに免疫チェックポイント阻害薬が承認されて4年。今年(2020年)2月の米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU 2020)では、免疫チェックポイント阻害薬による2種類の治療法について長期追跡結果が報告された。さらに、新潟大学医学部泌尿器科学教授の冨田善彦さんが、免...
2019年6月
「手術後は、残っている腎機能を低下させないことが大切。もちろん禁煙も」と語る榎本裕さん 組織的には膀胱がんと同じ尿路上皮のがんだが、悪性度は膀胱がんより高く、全体としては罹患者が少しずつ増えてきている腎盂・尿管がん。基本となる治療は手術という流れはここ10年で大きく変化はないが、検査の精度や手術の方法などは著しく進歩した。また、免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダがセカンドライン(2次治療)の標...
2019年6月
「本当の低侵襲とは、いかに痛みをなくすか、また合併症を起こさないで、術後の再入院をさせないか、これが〝がんサポート〟の本髄です」と語る志賀淑之さん 2016年、腎がんの部分切除にロボット支援下の腹腔鏡手術が保険適用となったため、手術支援ロボット「ダヴィンチ」による手術は年々増加傾向にある。なかでも難易度の高い腎がん部分切除に対して最新のテクノロジーを駆使して行う手術が注目されている。その最新の腎が...
2019年6月
「免疫チェックポイント阻害薬が分子標的薬と決定的に違うことは、薬物療法だけで完治の可能性がある人が出てきた、ということです」と語る木村剛さん 転移性腎がん・切除不能腎がんへの免疫チェックポイント阻害薬オプジーボ(一般名ニボルマブ)承認から3年。臨床試験による経過追跡は4年を超え、動向が見えてきた。2次治療でのオプジーボ単独に加え、1次治療での免疫チェックポイント阻害薬同士の併用療法、さらには免疫チ...
2017年5月
「専門医による厳密なチェックが必要」と話す北野滋久さん 2014年に悪性黒色腫(メラノーマ)で初めて保険承認された免疫チェックポイント阻害薬。16年8月には腎細胞がんにも適応拡大された。そして、投与法などさらなる研究も進められている。腎細胞がんへの適応を中心に最新の免疫チェックポイント阻害療法について専門医に伺った。 オプジーボが腎細胞がんにも 「腎細胞がんにチェックポイント阻害薬が承認されたのは...
2017年5月
「日本を筆頭に、超高齢化が進み、今後ますます医療費が増加していく世界では、ハイクオリティ・ローコストの医療技術こそが必要となると考えられます」と述べる藤井靖久さん 腎がん(腎細胞がん)の外科手術は、かつて行われていた開腹手術での腎全摘(根治的腎摘除)から、現在では腹腔鏡を用いた腫瘍部位の部分切除へと移り変わっている。特に2016年4月から腎部分切除術に対して「ダヴィンチ」手術が保険適用になったこと...