新たな作用機序をもつ貧血治療薬も登場 骨髄異形成症候群の最新治療
2024年8月
「高リスクの骨髄異形成症候群は白血病への移行を遅らせる治療。一方、低リスクでは白血病に移行する可能性は低いのですが、血球減少にどう対応していくかが重要になってきます。高リスクと低リスクでは、治療のアプローチがまったく違っているのです」と語る中島秀明さん 骨髄異形成症候群は予後(よご)予測を行い、高リスクと低リスクに分けて治療が進められます。高リスクには白血病への移行をできるだけ抑えるための治療が行...
骨髄異形成症候群
2024年8月
「高リスクの骨髄異形成症候群は白血病への移行を遅らせる治療。一方、低リスクでは白血病に移行する可能性は低いのですが、血球減少にどう対応していくかが重要になってきます。高リスクと低リスクでは、治療のアプローチがまったく違っているのです」と語る中島秀明さん 骨髄異形成症候群は予後(よご)予測を行い、高リスクと低リスクに分けて治療が進められます。高リスクには白血病への移行をできるだけ抑えるための治療が行...
2022年12月
「高齢者に多い疾患ですが、最近は診断基準がしっかりしてきたのと診断法が確立されてきたので、診断される方がより多くなってきています」と語る田村秀人さん 正常な血液細胞が作られなくなる骨髄異形成症候群。低リスクの場合は支持療法が中心となるが、日本では未承認のラスパテルセプトという薬が注目されている。貧血を改善することで、輸血依存の患者の約4割が輸血非依存となる効果が認められているのだ。日本での承認が待...
2018年11月
「グアデシタビンやリゴセルチブが承認されて使えるようになったら骨髄異形成症候群の治療の幅がグッと広がると思います」と語る照井康仁さん 低リスクと高リスクでは、治療法も心構えも違う骨髄異形成症候群(MDS)。いずれも、完治には造血幹細胞移植しか方法はないが、年齢や状況的に移植を受けられないことも多い。今のところ、高リスクの決定打はビダーザだけだが、今後、RAS遺伝子にピンポイントで作用する分子標的薬...
2016年2月
「リハビリはできる範囲でよいので続けて行うことが大切です」と語る石川愛子さん 造血幹細胞移植とは、患者のがん細胞を根絶するため、大量の抗がん薬と放射線治療を組み合わせた非常に強力な治療法となるが、その一方で問題となるのが移植後の身体機能の低下だ。「移植は成功したが、寝たきりになってしまった」では、何のための治療かわからない。そこで今、重要性が指摘されているのが、造血幹細胞移植患者に対するリハビリテ...
2015年6月
「骨髄異形成症候群は、リスクに応じた治療戦略が大切です」と語る原田浩徳さん正常な血液細胞が造られなくなる病気である骨髄異形成症候群(MDS)。完治させる唯一の治療法は造血幹細胞移植だが、たとえ造血幹細胞移植ができなくても、新たな薬の登場で、治療オプションは広がってきている。 血液を造る能力が低下し 白血病へと進行する病気 骨髄異形成症候群は、正常な血液細胞が造られなくなる病気である。この病気が発見...
2012年4月
「新薬のビダーザ、レブラミドは 白血病への進行を遅らせる 効果があります」と語る 小倉和外さん 進行すると、白血病に移行してしまうケースもある骨髄異形成症候群。 しかし最近は、白血病への移行を遅らせることができる有望な新薬が次々に登場しています。血液細胞を作る工場が不良品を生産する病気 [骨髄異形成症候群とは?] 白血球、赤血球、血小板などの血液細胞を作る工場(骨髄)が不良品(異形成の血液...
2011年5月
自治医科大学医学部 内科学講座 血液学部門講師の 鈴木隆浩さん 難治性の血液がんの一種、骨髄異形成症候群に、昨年から立て続けに2種類の薬が承認され、治療の選択肢の広がりに希望が持てるようになってきた。 血球になる造血幹細胞が突然変異を起こす病気骨髄異形成症候群という病気は、一般にはあまり知られていない。調べようとしても一般向けの解説は少ないし、専門的な解説を読んでみると、染色体の話などが出てき...
2010年10月
埼玉医科大学総合医療センター 血液内科教授の 木崎昌弘さん 血液がんの1つである骨髄異形成症候群(MDS)は、有効な薬がほとんどなく、完治を期待するには造血幹細胞移植しか手立てがなかった。しかし最近、効果の優れた新薬が次々に開発され、薬物療法の治療成績アップに期待が集まっている。 標準治療が確立されていない [骨髄異形成症候群の治療法] 造血幹細胞移植 ●完治が期待できる ●適応は高リスク群...
2010年10月
川崎医科大学 検査診断学教授の 通山薫さん 血液がんの1つである骨髄異形成症候群(MDS)は、これまで謎が多く、治療薬もなかったが、近年は新薬が登場し、治療の選択肢が増えつつある。ただし、適切な治療を受けるには、骨髄異形成症候群を早期に、かつ確実に診断することが肝腎だ。 未解明の部分が多いがん 血液のがんの一種である骨髄異形成症候群(MDS)は、まだ未解明の部分が多い。そもそも、独立した疾患概...
2010年8月
長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科教授の 宮崎泰司さん 骨髄異形成症候群(MDS)は、最近になって病態がはっきりしてきた血液がんの1つだ。まだ研究途上で、一般にもほとんど知られていない。そのため、これまでは診断がつかず、原因不明の血球減少として取り扱われていることが多かった。しかし、最近では診断法も治療法も目覚しく発展し、予後の改善が期待されている。 *宮崎泰司さんの「崎」は正しくは「たつさ...