栄養療法+消化酵素補充療法で予後が改善! 膵がんは周術期の栄養が大事
2021年12月
「膵がんの集学的治療が標準治療になった今、膵がんの予後を改善するのは栄養管理、栄養療法です」と語る松尾洋一さん 10年くらい前まで「手術が可能なら手術、不可なら化学療法」と、ほぼ二択しかなかった膵がん治療。しかし、近年では手術と化学療法、場合によっては放射線治療などを組み合わせた集学的な治療により、難治がんながら、予後の改善が期待されるようになっている。それと合わせて期待されているのが、術前、術後...
食事・栄養
2021年12月
「膵がんの集学的治療が標準治療になった今、膵がんの予後を改善するのは栄養管理、栄養療法です」と語る松尾洋一さん 10年くらい前まで「手術が可能なら手術、不可なら化学療法」と、ほぼ二択しかなかった膵がん治療。しかし、近年では手術と化学療法、場合によっては放射線治療などを組み合わせた集学的な治療により、難治がんながら、予後の改善が期待されるようになっている。それと合わせて期待されているのが、術前、術後...
2021年6月
「従来の治療に栄養療法とリハビリを加えることで、筋肉量や体重減少を防ぐことができるのではないか」と語る内藤立暁さん 加齢によって筋肉量が減り、筋力や身体機能が低下する〝サルコペニア〟。栄養不足や運動量の低下などが主因だが、がん患者さんでは、それに加えて、化学療法の副作用による食欲不振などが重なり、2次性のサルコペニアも発生しやすい。サルコペニアによる筋肉量の低下、体重減少などは、がん治療にも悪影響...
2020年8月
「術前のグラスゴース予後スコアによる予後予測,手術合併症予測によって、より早期から支持栄養療法の介入を行ったり,術後合併症に備えた手術を行うなどの個別化治療を行うことができる可能性がある」と語る大島 貴さん 栄養状態の評価方法であるグラスゴー予後スコア(Glasgow Prognostic Score:GPS)は、非小細胞肺がんをはじめ、乳がんや腎細胞がんなどの予後予測因子であることが知られている...
2019年11月
「第Ⅱ相試験の結果によって、さらに効果的な集学的治療が開発できるのではと考えています」と語る立松典篤さん これまでエビデンス(科学的根拠)の極めて少なかったがん悪液質に対する集学的治療に関して、日本初の臨床試験「*NEXTAC-ONE」が実施され、その安全性と忍容性が認められた。その結果を受けてNEXTAC-TWO試験の登録が2017年8月に開始され、2021年以降に結果が公表される予定となってい...
2019年3月
「第Ⅲ相試験でいちばん厳しいと思われた膵がん患者さんの成績がよかったので、肺がんだけでなく消化器がんにも試してみる価値がある」と語る古瀬純司さん 進行したがん患者に多く見られる悪液質は、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させるにもかかわらず、長い間効果的な治療法を見出せなかった。しかし、初の治療薬アナモレリンが国内で実施された第Ⅱ相臨床試験で、非小細胞肺がん患者の悪液質に対する有効性が確認された...
2019年1月
「脂質の少ない昔ながらの和食を食べていれば前立腺がんになりにくいし、なっても進行しにくいと思います」と語る堀江重郎さん 日本において近年急増し、2015年、2016年の国立がん研究センターのがん統計において男性の罹患率第1位に躍り出た前立腺がん。その一方、進行が緩やかで死亡率の低いがんとしても知られている。そんな前立腺がんは食事を中心とした生活改善で発症を予防できるだけでなく、前立腺がんになってし...
2018年7月
「タンパク質、糖質、脂質をしっかり補給し、がんと闘う力をつけることが大切です」と語る東口髙志さん がん患者さんの約2割は診断時点で低栄養に陥っており、治療が進むとその割合は8割以上にのぼるという。これは、がんそのものが多くのエネルギーを消費する上、手術、抗がん薬、放射線などの治療がエネルギーを必要とするためだ。奪われたエネルギーを十分補給できないと、低栄養によって体力が低下し、せっかくのがん治療も...
2018年4月
「がんの診断が下ったときから栄養療法を開始するほうがよい、という感触を持っています」と語る原町赤十字病院副院長の内田さん 「がんが将来的にどのように経過していくか」を予想する目安となる因子を「予後因子」という。ステージ(病期)やがん細胞の悪性度などがよく知られているが、最近、進行・再発した患者によく見られる「悪液質」という因子が注目されている。これが、がん治療をしても奏功しにくいなど、生命予後に関...
2018年2月
「食事療法は、がんと診断されたと同時に開始する、それが間違いなく医療の質を上げることにつながります」と語る川口美喜子さん 肺がんは進行した状態で見つかることが多く、その時点で低体重・低栄養状態に陥っているケースが少なくない。その場合、治療に耐えられる体力や免疫力を回復しなければならず、食事は重要な役割を担う。しかし、実際は、がんと告知された患者は食べること(栄養)がなおざりになりがちだ。そこで、肺...
2017年12月
「早期に診断をつけ、予防的に介入して不応性悪液質へ移行しないようにしなければなりません」と語る立松典篤さん 悪液質とは重い病気が進行した段階で現れる一連の症候群で、心疾患や肺疾患、血液疾患でも発症するが、がんの終末期にも高い確率で発症し、一度発症すると打つ手が少ないことが知られている。ところが、がんにおいては悪液質が起こる前から栄養介入(栄養を指導・管理すること)や、運動介入(指導して運動してもら...