2023年8月
「高リスクになりそうな甲状腺がんには、病理診断を行う段階で遺伝子検査を行うことが勧められます。現在はそのような仕組みがありませんが、今後の課題だろうと思います」と語る杉谷さん 甲状腺がんは、肺がんや胃がんといった他の固形がんとは、かなり異なる特徴をもっています。とくに小さくて転移や浸潤もない超低リスク乳頭がんの場合には、すぐに手術をせず経過観察する「非手術経過観察」も推奨されています。日本のガイド...
2022年8月
「甲状腺がんは特定の遺伝子異常をもつ患者さんが多いので、がんゲノム検査の結果に応じて治療を提案できるようになってきたというのが一番大きな変化です」と語る清田尚臣さん 甲状腺がんは複数の組織型がありますが、それぞれが希少がんと位置づけられる状況にあります。そのため、臨床試験を行うことがむずかしく、標準治療は近年になって確立されたものの「そのあと」の治療選択が少ない状況が長く続いていました。そこに新た...
2016年8月
「高い治療効果を求めるのは切開術と同じですが、内視鏡下手術は整容面に配慮しているのが大きな特徴です」と語る五十嵐健人さん 甲状腺がんは手術により治ることの多いがんだが、従来の切開術では術後に首の下に大きく傷跡が残り、特に女性にとっては整容面の支障になることが課題だった。一方、内視鏡下甲状腺切除術(VANS法 ※以下「内視鏡下手術」)では、鎖骨の下に短い傷跡が残るだけで、容姿だけでなく食事などの面で...
2005年3月
癌研有明病院 頭頸科医師の杉谷巌さん のど元にある甲状腺。ここにできるがんが甲状腺がん。 甲状腺がんの大半は、進行の遅いおとなしいがんです。 手術も抗がん剤も何の治療もせず、経過を見るだけでいい場合もあります。 といって、侮ってはいけません。数は少ないけれども、命を脅かす怖いがんもあります。甲状腺がんは5種類ありますが、種類によってその性質も治療法も大きく異なっており、ここが他のがんと大きく違っ...
2004年1月
手術に強い癌研究会付属病院の中で、手術をしない治療を打ち出した、頭頸科医長の杉谷巌さん 「がんは、手術で取らなければ命にかかわる」というが、実はそうではない。甲状腺がんの大部分は、命にかかわらないがんの代表格だ。 手術だけでなく、放射線も、抗がん剤も一切行わず、定期的に経過を観察するだけ。 それで本当に安全なのか?なぜそんなことが可能なのか。「究極的に身体に負担のない治療法」を紹介しよう...