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2015_nov_i

新薬の登場で全生存期間などが有意に延長

監修●田村研治 国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科長

2013年パージェタ、2014年カドサイラと、次々に新薬が登場。その結果、HER2陽性・進行再発乳がん患者さんの生存率の延長が、より期待できるようになったという。パージェタ、カドサイラとはどのような薬剤なのだろうか。ハーセプチンとパージェタの作用の違い、カドサイラの特徴と治療効果、さらなる使用法などについて、専門医に伺った。

新規薬剤の登場と明確にすべき課題

監修●荒木和浩 がん研有明病院乳腺センター乳腺内科医長

乳がんを分子生物学的に分析し、どの薬剤が効果が高いのかを判断するためにサブタイプとして分類することが一般的な治療として広がり、それぞれの患者さんに適した治療選択が行われている。その中で「閉経後進行再発乳がんの ホルモン受容体陽性HER2受容体陰性タイプ」について最新情報をリポートする。

新ガイドラインでサブタイプの再検査を推奨

監修●林 直輝 聖路加国際病院乳腺外科副医長

乳がん細胞のHER2発現やホルモン受容体の陽性/陰性の検査結果が、化学療法後に一定割合の患者さんで変化する。これが生じると、治療方針に影響するため、再発・転移時にはこれらの再検査が必要とされており、2015年に改訂された日本乳癌学会「乳癌診療ガイドライン」でも新たに記載が加わった。

予後は変わらないという臨床試験結果も

監修●井本 滋 杏林大学医学部外科(乳腺)教授

乳がん治療では、患者さんの特性にあった個別化と低侵襲の治療が進んでいる。手術の分野でも、センチネルリンパ節生検を行って転移を認めても腋窩リンパ節郭清を行わない流れが加速している。やがてセンチネルリンパ節生検を行わなくて済む時代がやってくるかもしれない。

サブタイプに応じた治療も必要

監修●永野 修 千葉県循環器病センター脳神経外科ガンマナイフ治療部部長

乳がんは骨、肺、肝臓などと共に脳にも転移しやすい。脳転移の治療法としては主に手術や放射線治療があげられるが、最近、急速に進歩し治療対象の範囲を広げ、成績を向上させているのが定位放射線治療の1つ、ガンマナイフ治療だ。ガンマナイフ治療の現状について専門家に伺った。

産婦人科と密に連携して取り組む

監修●土屋恭子 聖マリアンナ医科大学乳腺・内分泌外科医長

若い乳がん患者さんは、化学療法やホルモン療法により、妊孕性(妊娠する力)への影響が心配される。しかし近年、受精卵や卵子、卵巣組織の凍結などの妊孕性温存療法の発展に伴い、がん治療と妊娠・出産の両方を実現したいと考える患者さんが増えている。妊孕性温存についての取り組みと今後の課題についてレポートする。

乳がん市民セミナー「自分にあった治療選択を」

講演・パネラー●山内英子 聖路加国際病院ブレストセンター長・乳腺外科部長
講演・パネラー●中山可南子 聖路加国際病院乳腺外科クリニカルフェロー
パネラー●立花夏子 聖路加国際病院がん化学療法看護認定看護師
患者ゲスト●吉岡一恵さん

ここ10数年で格段の進歩を遂げたがん医療。がんのタイプは細分化され、治療法も確立されつつある。乳がんと診断されたら、まずは落ち着いて、自分の体に起きていることを知る勇気を持とう。知は力。自らの乳がんタイプを知り、最適な治療法を選択することが大切な一歩になる。
昨年(2015年)8月、東京・秋葉原で、乳がん市民セミナー「自分にあった治療選択を!」(共催:エビデンス社/ジェノミック・ヘルス・ジャパン合同会社)が開催された。講演1「乳がんと診断されたら」、講演2「乳がんの遺伝子検査を知って、自分にあった治療を受けましょう」に続き、各講演に対する質疑応答およびパネルディスカッションが開かれ、活発な応答が行われた。
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