がんサポート2015年9月号

肺がん&リハビリテーション特集

1 罹患数・死亡数の推移と検査・治療法の最新動向
肺がん患者さんの併存症の治療と 的確な治療選択で予後の向上を図る

監修●高橋和久 順天堂大学大学院医学研究科呼吸器内科学教授

たくさんあるがん種の中で死者数が一番多いのが肺がん。一方で、新薬の開発など治療法も進化しており、予後の改善も期待されている。肺がんの罹患数・死亡数の推移、検査・治療法に関する最新の動向を伺った。

2 再発治療として新たな3剤併用療法の効果認められる
最も有効な治療をできるだけ早く!小細胞肺がんの治療戦略

監修●軒原 浩 国立がん研究センター中央病院呼吸器内科医長

進行が早く、転移もしやすい一方で、抗がん薬や放射線治療がよく効くとされる小細胞肺がん。最も効果的な治療法を、できるだけ早く受けることが、治癒を目指すという意味で重要だと言えそうだ。

3 縮小手術や再手術でもメリットは大きい
安全性と根治性の確保が重要 肺がんの胸腔鏡手術

監修●文 敏景 がん研有明病院呼吸器外科副部長

肺がんにおいても普及しつつある胸腔鏡手術。ただ、未だに専門家の間では、胸腔鏡手術に対して安全性と根治性を疑問視する風潮が根強いという。胸腔鏡手術の現状は? 開胸手術との比較は? 専門家に話を伺った。

4 有効性と安全性が証明され、さらなる期待
進行非小細胞肺がんに対する抗PD-1抗体オプジーボの効果

監修●西尾誠人 がん研有明病院呼吸器内科部長

現在肺がんの治療薬の開発で、最も過熱しているのが免疫チェックポイント阻害薬。今年(2015年)のASCO(米国臨床腫瘍学会)年次学術集会では抗PD-1抗体オプジーボに対する注目の臨床試験の結果が発表された。日本でも免疫チェックポイント阻害薬の様々な臨床試験が行われ、今後の肺がん治療への期待が広まっている。

5 下痢は早期から薬で対処することが大切
第2世代EGFR阻害薬の肺がん治療中の副作用対策

監修●加藤晃史 神奈川県立循環器呼吸器病センター肺がん包括診療センター呼吸器内科・臨床研究室

EGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんの治療には、イレッサ、タルセバに加え、第2世代のジオトリフも使われるようになった。ジオトリフの副作用には下痢、口腔粘膜炎(口内炎)、皮膚症状などがあげられる。そこで、副作用対策の情報提供を積極的に行っている専門医に、下痢対策を中心に伺った。

6 運動能維持のための呼吸法の調整
社会復帰目標に個別的な対応を図る 肺がん手術前後のリハビリテーション

監修●鵜澤吉宏 亀田総合病院リハビリテーション室副室長(理学療法士)

手術後のリハビリテーション(以下リハビリ)はどのがん種でも大切だが、胸を開き、しかも呼吸器の一部を切除する肺がんでは息苦しさへの対応がより求められる。術前の指導から実際のリハビリまでを聞いた。

7 乳がんのリハビリテーション 体力・QOLを向上させる
乳がん術後に行いたい肩関節可動域訓練と運動療法

監修●村岡香織 慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室助教

乳がん術後の痛みなどの不快な症状は、すぐに解消されるものではありません。しかし、そのために日々の活動量が減ると、筋力・体力が落ちて次第に栄養状態や心肺機能に影響を及ぼすことも少なくありません。術後は、敢えて運動を生活に取り入れ、基礎体力をしっかり維持することが大切。そのための方法を紹介します。

8 骨転移のリハビリテーション 最期まで自分の足で歩けるように
多様な職種の連携で、骨転移患者さんのQOLを維持する

監修●篠田裕介 東京大学医学部附属病院リハビリテーション部講師
監修●澤田良子 東京大学医学部附属病院整形外科・脊椎外科

骨転移は骨の病気であることから、運動器を専門にしている整形外科医による診療が有用だ。骨転移のがん患者さんが急増するなか、リハビリの必要性や他職種との連携など新しい診療体制が求められている。様々な科が連携して治療にあたる、東京大学医学部附属病院の骨転移キャンサーボードの取り組みについて伺った。

9 訓練を習慣化し、退院後の継続したトレーニングが重要
患者に適した細やかなリハビリテーション 頭頸部がん・食道がん治療後の嚥下障害

監修●髙橋浩二 昭和大学歯学部口腔リハビリテーション医学部門教授

頭頸部がんや食道がん治療後に嚥下障害が起きるケースがあるが、治療によるダメージに加えて、口から物を食べられないというのは、QOL(生活の質)の観点からも、患者さんにとってつらいことだ。こうしたがん治療後の嚥下障害にどういったリハビリテーションが有効なのか。個々のケースからひも解く。

医療

凄腕の医療人 神経膠腫に対する最大限の腫瘍摘出と 最小限の術後神経症状の両立を実現

●村垣善浩 東京女子医科大学先端生命医科学研究所大学院研究科先端生命科学系専攻先端工学外科学分野教授/医学部脳神経外科(兼任)

神経膠腫(グリオーマ)は、腫瘍と正常組織の境界が不鮮明で、グレードがあがるとより悪性となり、摘出が極めて難しく予後も悪い。そんな神経膠腫に対して、あらゆる技術とテクノロジーを駆使して、最大限の腫瘍摘出と最小限の術後神経症状の両立を実現してきたのが、東京女子医科大学の脳神経外科悪性脳腫瘍チームだ。そのチームを率い、新しい治療法の開発も仕切るのが村垣善浩さんだ。

がんのチーム医療・施設訪問 活発な議論が出来るカンファレンス 診療科をつなぐ接着剤

●国立成育医療研究センター小児がんセンター「こどもサポートチーム」(東京都世田谷区)

小児がんは全てのがんの中では1%ほどの希少がんではあるが、毎年新たに診断される2,000~2,500人という数は決して少なくない。東京の住宅街にある国立成育医療研究センターは小児がん拠点病院に指定され、様々な取り組みを行っている。その潤滑油となっているのが、昨年(2014年)発足した「こどもサポートチーム」だ。

がん看護専門看護師山田みつぎの 副作用はこうして乗り切ろう! 5 皮膚症状

監修●山田みつぎ 千葉県がんセンター看護局通院化学療法室看護師長

吐き気や感染症に比べたら、皮膚の症状なんてまだマシ……仕方がない。そう言い聞かせて、つらい症状を我慢してはいませんか? 心がけ1つで予防も可能、症状緩和も可能です。それでも出たときは、迷わずステロイドで速やかに対処。まずは知識を。

患者のためのがんの薬事典 新たに2つの選択肢が登場 再発・進行胃がん治療の化学療法

監修●陳 勁松 がん研有明病院消化器化学療法科副部長

切除不能な再発・進行胃がんの治療は、「化学療法が第一に考慮されるべき治療法である」と、胃癌治療ガイドラインでは記されています。がんを縮小して、がんの進行に伴う様々な症状を抑え、より良い時間をより長く過ごすことが、再発・進行胃がんの治療の目標ですが、最近の治療薬の開発進歩によって、がんを小さくする効果が、より高くなってきました。今年(2015年)6月には、従来の標準治療に加えて、新しい分子標的薬も登場しています。

対談

鎌田實の「がんばらない&あきらめない」対談
政治も健康も「あきらめない」精神でがんばりたい

●小沢一郎さん(生活の党と山本太郎となかまたち共同代表)

かつては自民党幹事長、民主党代表として永田町をリードした小沢一郎さんも、すでに73歳。議員2年目には甲状腺がんの手術を、次期首相最有力と見られていたときには狭心症の治療を受けながら、政治の表舞台を歩いてきた小沢さんに、鎌田實さんが「日本はどうなるのか」を単刀直入に聞いた。

生き方

私の生きる道 胃がんの手術後、食の楽しみが失われてしまいました

●胃がん、劇症肝炎と2度の大病を患ったシンガーソングライター小椋佳さん(71歳)

胃がんは早期なら手術で切除してしまえばそれで終わりと思われがちだが、実際はそうではない。手術後、まともに食事ができなくなり、「すぐに戻してしまう」など、つらい後遺症に悩む人も多い。胃がんで14年前に手術をした小椋佳さんもその1人だ。胃がんを患ってからは、食べるものが限られてしまい、食欲そのものもなくなり、食に対する楽しみが失われてしまったという。

がん闘病記 2 「骨外性粘液型軟骨肉腫」を知っていますか 2

●田村ひとみさん(主婦・コンビニパート)

痛くも痒くもない盛り上がっているこぶが希少がんと診断されて

患者サポート

がん相談 乳がん/前立腺がん/肺がん

乳がん●回答者:関口建次・苑田会放射線クリニック副院長

前立腺がん●回答者:古賀文隆・都立駒込病院腎泌尿器外科部長

肺がん●回答者:久保田 馨・日本医科大学付属病院がん診療センター長

症状別おすすめ・レシピ (4)食欲のない方に、ぜひ!

レシピ・料理製作●渡邊太一 国立がん研究センター東病院栄養管理室 管理栄養士

食欲が落ちる原因は様々です。消化吸収機能が低下している方は、胃腸の働きが弱まっているのかもしれません。消化のよい食材で、さっぱりした食事を試してみてください。

わたしの町の在宅クリニック 17 明るい看取りを目指して。地域で患者さんを診る

●ホームケアクリニックこうべ

クリニックの名称には院長の名前が入っていることが多い。「ホームケアクリニックこうべ」の院長・五島正裕さんがあえてそうしなかったのは「五島クリニックという院長色の強いクリニックではなく、看護師や非常勤医師、スタッフたちみんなで取り組んでいるという意味を込めたかったから」だという。そして2011年4月の開業以来、地域に根づいた在宅医療を推進するため、奔走する日々が続いている。

がん哲学外来 今月の言葉「勇ましき、高尚なる生涯」

●樋野興夫・順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授

健康的な暮らしにストレスが(M・S さん、男性 42歳)

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