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明細胞肉腫と胞巣状軟部肉腫に対する医師主導試験が開始される ~国立がん研究センター中央病院ほか~

 

取材・文●「がんサポート」編集部

国立がん研究センター病院は、先ごろ、代表的な希少がんである肉腫の中でも、さらに発症頻度の少ない明細胞肉腫と胞巣状軟部肉腫を対象に、免疫チェックポイント阻害薬ニホルマブを用いた医師主導治験を開始すると発表した。

今回の医師主導治験を、希少がんの中でも超希少ながん腫において成功させることにより、臨床試験計画や新薬開発手法のモデルの1つになることが期待されている。また良好な試験結果が得られた場合には、その結果をもって企業による明細胞肉腫と胞巣状軟部肉腫に対する世界発の承認申請を行うことを目指している。

今回の医師主導治験では、国立がん研究センター希少がんセンター、学会による疾患登録、さらに臨床試験グループのネットワークを有効活用し、症例集積が困難な超希少がんの治療開発で有用と考えられるベイズ流臨床試験計画に基づき、新規治療開発を行うことになっている。

また日本医療研究開発機構臨床研究・治験推進研究事業「がん領域Clinical Innovation Network事業による超希少がんの臨床開発と基盤整備を行う総合研究(主任研究者:乳腺・腫瘍内科 米盛 勧)の支援を受けて実施され、二ホルマブは小野薬品工業株式会社から治験薬として無償提供される。

なお本試験は、国立がん研究センター中央病院、愛知県がんセンター中央病院、国立病院機構大阪医療センター、岡山大学病院の全国4施設で実施される。

希少がん:一般に10万人あたり6人未満の推定罹患率の疾患を指す。希少がん全体では全がん患者推定罹患率の9~22%を占めるが、それぞれの希少がん疾患は、非希少がんの8~10分の1の推定罹患率であり、研究や薬剤開発がなかなか進まない状況にある。本試験の対象疾患である明細胞肉腫や胞巣状部肉腫のように、年あたりの発症頻度が100万人あたり数名程度のがんは、希少がんの中でも発症頻度のより少ない “超希少がん” に該当する。

ベイズ流臨床試験計画:統計理論の1つであるベイズ統計学に基づいて設計された臨床試験計画。一般的な臨床計画と比べて、必要症例数の設定方法や有効性および安全性のデータの評価方法が異なる。例えば、本試験の対象である明細胞肉腫と胞巣状軟部肉腫は超希少がんであるため、症例集積が極めて困難になると予想される。一般的な臨床試験計画の場合には、目標症例数に達するまで臨床試験を継続する必要があり、ときに試験実施期間が非常に長くなることもある。これに対し、ベイズ流臨床試験計画は、試験開始前に最小症例数と最大症例数を設定し、登録症例数がこの範囲内であれば有効性と安全性を評価することができる。

関連情報:UMIN-CTR 臨床試験登録情報の閲覧

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