禁煙が肺がん患者での死亡リスクを低減 ~米国臨床腫瘍学会(ASCO)2020 Virtual

[2020.05.28] 文・編集●「がんサポート」編集部

「肺がんと診断される少なくとも2年前までに禁煙をしたスモーカー(喫煙者)は、肺がん診断後の生存機会が改善される」との大規模な国際研究の結果が、5月29日~5月31日に開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)2020年バーチャル年次集会で報告される。

喫煙が肺がんリスクに大きな影響をもたらすことはよく知られており、肺がん患者の10人のうち8人は喫煙者が占めていると推定されている。その一方で、禁煙が肺がんリスクの低減に影響をもたらすと言われているが、実際に肺がん患者の生存にどのくらいベネフィット(便益)をもたらすのかは明らかではなかった。

肺がん患者3万5,428例を対象

今回の研究は、17の国際肺がんコンソーシアム(ILCCO)研究のデータを分析したもの。同コンソーシアムは、現在進行中の肺がんケースコントロール(症例対照)研究・コホート(集団)研究での比較可能なデータをシェアすることを目的としており、その中に禁煙時期(期間)に関するデータも含まれている。

研究の対象となったのは、肺がん患者3万5,428例。診断時での内訳は、喫煙者47.5%、前喫煙者(禁煙者)30%、喫煙歴なし22.5%。禁煙時期を、肺がんと診断された時点の2年前未満、2~5年前、5年超前に分けて検討した。

診断時2年前未満でもリスクを低減

その結果、禁煙による全死因における死亡リスクの低減率は、現喫煙者に比べて、2年前未満14%、2~5年前17%、5年超前22%であった。死亡リスク低減率は、少なくとも診断5年前に禁煙したケースでのみ有意であった。

「これらの研究結果は、公衆衛生上のメッセージにさらに大きな影響力をもたらすものであり、また特に長年にわたり喫煙してきた人に対し、禁煙へのインセンティブ(動機)をもたらすものである。生存機会の改善は、肺がんが診断される前の短期間の禁煙においても認められることから、”禁煙に遅すぎることはない”と言うことだ」と研究者は語っている。

(※研究内容の詳細は、学術集会終了後に掲載予定)

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