コロナ禍で検診率が低下する女性特有がんの予防 ―がん対策推進企業アクション メディア向けセミナーより

[2021.09.10] 取材・文●「がんサポート」編集部

2021年9月7日『コロナ禍で検診率が低下する女性特有がんの予防―がん対策推進企業アクション メディア向けセミナー』が開催され、その中で東京大学大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座の中川恵一さんは、とくに若い女性のがんとその検診率の低下について注意を促した。

コロナ禍でがん患者の死亡率の増加が懸念

コロナ禍においては、全体的にがんの検診率が低下傾向にあり、がんの早期発見、早期治療が減少しているとし、今後、コロナ禍が継続する潮流にあって、がん患者さんの罹患率および死亡率の増加が懸念されるという。

中川さんは、「がんによる死亡者数は、年間およそ38万人、1日あたりに換算すると、約1,040人の方が亡くなっています。さらに若いからがんにならないというのは誤りです』と話す。

そして、新型コロナ感染症拡大によって、日常生活のみならず医療の受診行動にも大きな変化がおこり、新たにがんと診断される患者数が減少する状況が各国で生まれている。

米国では6つのがん(乳房、大腸、肺、膵臓、胃、食道)で、新たに診断された患者数が46.4%減少し、今後1年間でおよそ34,000人を超えるがんによる死亡の増加が予想されるという。

また、英国では都市ロックダウンから10週間で、推定210万人のがん検診が延期され、がんが疑われる患者さんの紹介受診が75%減少したという。

国内でも、近年、30~40歳代の女性で、がん患者数は、男性を大きく上回っており、男性が上回るのは、55歳あたりであるという。また、年齢別のがん患者数(2016~2017年)をみても、20~39歳のがん患者数の割合は、80%が女性である。

年齢階級別がん罹患率の推移(1981年と2011年の比較)をみると、子宮頸がんの場合、20~40歳代の若い年齢層で罹患率が増加し、乳がんの場合、中高年とくに40歳代後半の罹患率が大きく増加しているのがわかる。

さらに、女性特有のがん:発症状況(20~30代)も、2010年前後から子宮頸がんだけが急増している。

一方、子宮頸がんの検診受診率(2019年:国民生活基礎調査)は、20~69歳までの子宮頸がん検診受診率は、43.1%に対し、20~25歳の子宮頸がん検診受診率は、15.1%と半分以下になっている。

中川氏はまとめとして、女性特有のがん検診について、子宮頸がんでは、20歳以上の女性では2年に1回、乳がん検診は、40歳以上で2年に1回であるとし、「2020年に受けなかった方は、ぜひ、今年受けてください」と強く呼びかけた。

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