
2023年2月
「患者さんの体表面に斑点パターンを投影し、それをスキャンすることで体の位置合わせを行うSGRTはリアルタイムスキャンが可能なので、ズレを確認しながら治療を行えるのが優れた点です」と語る吉村通央さん 日本では、放射線治療を受ける人の約2割を、乳がんの患者さんが占めています。その放射線治療ですが、新技術の登場によって日進月歩の進化をとげています。乳がんの患者さんが受ける放射線治療も、従来の方法とはずい...


2023年1月
「パドセブは3次治療にかかわらず奏効率が40%もあり、現在1次治療の化学療法との比較試験が行われています。2、3年先には結果が出るでしょう」と語る小林恭さん 長い間、化学療法以外の治療法がなく、進行・再発がんには打つ手が非常に限られていた膀胱がん(尿路上皮がん)。2017年12月、免疫チェックポイント阻害薬の保険適用を皮切りに、2021年には新たに2剤が承認され、今日、その状況は急激に変わりました...


2023年1月
「今後どのように実臨床の場で利用していくかはこれからの課題ですが、将来は外来診療の補助としてアプリを使ってもらうなど、この成果を生かしたいですね」と語る明智龍男さん がん種にかかわらず、がん患者さんの多くは治療が終わっても、大なり小なり再発や転移の恐怖を抱えて日常生活を送っていることはよく知られています。とくに乳がん患者さんは、10年生存率は90%と予後はいいものの、10年以上経っても再発すること...


2023年1月
「食道がんの薬物療法は、今後も免疫チェックポイント阻害薬の併用療法を中心に開発が進むと思います」と話す加藤健さん 2002年に初めて『食道癌治療ガイドライン』が刊行されて20年。2017年の第4版から「食道癌診療ガイドライン」と名を改め、昨年(2022年)9月、5年ぶりに2022年版が刊行されました。今回の注目点は薬物療法。長年変化のなかった薬物療法にようやく新薬が登場し、初めて治療アルゴリズムが...


2022年12月
「インプラント再建では、たとえ不調がなくとも、1年に1度は超音波検査を受け、2年に1度は必ずMRIでの細かい確認を続けましょう。10年を過ぎてからこそチェックを怠らないでほしいのです」と話す佐武利彦さん 日本における乳房再建の歴史は比較的浅い。2006年に穿通枝皮弁、節皮弁などの自家組織による再建法が保険適用となったことで本格的に普及し始め、2013~2014年にインプラント法が保険適用されて以降...


2022年12月
「高齢者に多い疾患ですが、最近は診断基準がしっかりしてきたのと診断法が確立されてきたので、診断される方がより多くなってきています」と語る田村秀人さん 正常な血液細胞が作られなくなる骨髄異形成症候群。低リスクの場合は支持療法が中心となるが、日本では未承認のラスパテルセプトという薬が注目されている。貧血を改善することで、輸血依存の患者の約4割が輸血非依存となる効果が認められているのだ。日本での承認が待...


2022年11月
「脇腹の痛みが続いたら、躊躇せず、主治医に訴えてください」と強調する片桐浩久さん がん医療において、最近問題になっている骨転移。骨転移は、体中どこの骨にも起こり得ますが、頻度が高く、QOLを大きく低下させるような骨折や麻痺を引き起こしやすいのが背骨(脊椎)、上腕骨、大腿骨、骨盤で、中でもいちばん多いのが背骨です。原発となったがんの発症直後だけでなく、がん治療を終えた数年後、がんの種類によっては10...


2022年10月
「HER2陽性の定義を変えてしまったり、サブタイプ横断的に使える薬剤の出現で、乳がんの薬物療法は増すます複雑化しています」と語る尾崎由記範さん 乳がんの薬物療法がどんどん新しくなっている。効果的な新薬が使われるようになり、術前・術後治療でも、転移・再発乳がんの治療でも、標準治療が次々と新しくなる事態が続いている。従来、乳がんの薬物療法はサブタイプ別に考えられてきたが、現在は「HER2陽性」の概念が...


2022年10月
「PARP阻害薬の適応が拡大し、初回維持療法から使えるようになりました。多くの患者さんがその恩恵を受けられると思います」と語る谷川輝美さん 早期に症状が現れにくいため、自身では気づきにくい卵巣がん。実は、罹患者数、死亡者数ともに、年々、増加傾向にある。最も多い罹患年齢層は、更年期世代と言われる50代。ホルモンバランスの乱れからくる不調だろうと、つい体調の変化を見過ごしがちな年代だ。長く変化のなかっ...


2022年9月
「患者向けは来年刊行されますが、ガイドラインが新しくなったことを知っていれば、主治医に確認してださいというアピールになるので、それだけでも意味があるのではないか」と語る佐治さん 乳がん診療の羅針盤とも言える『乳癌診療ガイドライン』の2022年版が、6月30日に刊行された。2018年版が出てから、ほぼ4年ぶりの改訂版である。「治療編」と「疫学・診断編」に分かれており、どちらについても詳細な改訂が行わ...
